夏目漱石の長編小説で、1917年発表。
残念ながら作者病没のため、未完の絶筆となっています。
主人公は、勤め先の社長夫人の仲立ちで現在の妻と結婚した。
しかし彼には、彼女と知り合う前に将来を誓い愛し合った女性がいた。
ある日突然彼を捨て、彼の友人のもとへ嫁いでいった彼女が、1人で温泉に滞在していることを知った主人公は、妻に隠れて密かに彼女のもとへ向かった。
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ああああもうほんとに絶筆なのが残念!!!!!!!!!!!!!!!
とにかく残念。
いいところで未完になってるから続きが気になっちゃうよー

正直言って、↑のお話に辿り着くまでが長いです。
主人公が病気で入院したり、妻と小姑との争いがあったり、(しかも正面衝突!!!!!)
上流階級と下流階級との争いもあって、(これまたお互いまともにぶち当たる!!!!!!!!)
まぁ、いろいろあるんです。
未完だからオチがわかんないけど、とりあえず思ったのは、
ここに出てくる妻みたいにとにかく完璧な愛を求めすぎるのはよくないなーっていうこと。
彼女は本当に心から夫に愛されているか疑っています。
しかも、夫の心に自分以外の女性がいることに勘付いています。
女の勘ってやつですね。
自分が夫を愛しているのと同じくらい、夫から愛されたいと願っています。
どうしても完璧に愛されてみたいと思っています。
彼女の指にはいつでも夫から贈られた宝石が光り、全ての欲望を欲しいままにしていますが、夫の完璧な愛情だけが未だ手に入れられずにいます。
それはちょっとよくないかな。
っていうか無理かな。
気持ちはわかるけどね。
あと、過去の恋人に会うのはよくないと思う。
このお話ではまだ起きてないけど、多分ほぼ間違いなくまちがいが起きてしまうから。
「あのときどうしてこうしたの?」
とかっていう疑問はいっぱいあると思う。
みんな持ってる疑問だと思う。
でも、過去は過去。
疑問は疑問だからいいと思う。
だって、今過去の真実を知ってどうするの?
過去は思い出すもの。
振り返っちゃダメ。
でも、ダメだってわかってるのにやっちゃうのが人間だよね。
きっと彼はそこを描きたかったんだと勝手に思います。
あと、結構どの作品にもいえるけど上品な言葉遣いが本当にイイ

ああああああでも本当に残念…
