みなさまごきげんよう。


今日は今年一番悲しかった事を書きます。




今年の9月のある日、私の大好きな犬が天国へゆきました。


彼女はメスのゴールデンレトリバーで、私が小学校2年生くらいのときに家に来ました。

うちに来てすぐはまだ小さかったので、家の中で一緒に過ごしました。

彼女はとっても賢くて穏やかな性格で、私達がしつけたことをすぐに覚えてくれたから育てるのがとても楽だった。私達の手を煩わせない子だった。

好きな食べ物はリンゴ。人の手から何かあげても、絶対噛まないように気を使って食べているのがわかった。

自分のごはんを他の動物に食べられても、それを横目で見るだけ。

彼女が怒ったところを、私も他の家族も誰も一度として見たことがなかった。



大きくなって外の犬小屋で過ごすようになってからは、ほとんどお散歩には父親が連れて行っていたのであまり接する機会が少なくなった。それでもたまに私がお散歩すると、ぴょんぴょん跳ねて楽しそうにしてたなぁ。




今年の6月に帰省したとき、私がお散歩に連れて行った。

そのとき嬉しそうにしている彼女の顎に異変を感じ、私はお父様にその旨を伝えた。

最初は「歳のせいだろう」という話で片付けられた。

でもそれからしばらくして、彼女の余命がもう長くないだろうということを父から電話で聞くことになる。


気づいたときにはもう手遅れだった。

彼女の顎は病が進み、もはや為す術がないと獣医は言った。どうしても治したいのなら、下顎を切除して血管に栄養を流し込んで命を延ばすことしかできないとも言われた。

下顎のない犬なんて想像できなかった。それよりも、そうまでして彼女が生きたところで果たして幸福とはとても思えなかった。大好きなごはんが食べられなくなる。私達が誰かもわからなくなる。



夏休みの間、私は北京に行った。

帰国した成田から直で実家に向かい、充電するつもりで帰省した。

彼女が旅立ったのはそれからすぐだった。



最後はごはんを残し、水さえあまり飲まないようだった。

ものすごく苦しそうに息をして、姿勢を変えるのもものすごく辛そうだった。

彼女の死を看取ったのは私一人だった。

伸びをしたのかな、と思ったら、もう彼女は動かなかった。



冷たくなってゆく私の大好きな犬を撫でながら、私は「ごめんね、ごめんね」と繰り返していた。

彼女の病気とはがんだった。顎から食道にかけてがん細胞は彼女の身体を蝕んでいた。

患部は見てすぐにわかるほど腫れていて、喉を通るものも限られ声も変わっていた。

何も言わなかったけれど、きっと痛かっただろう。ものすごく痛かったに違いない。

6月に私が異変を感じたときに、もっと真剣に話して早く病院に連れて行っていたらこんなことにはならなかったかもしれない。そればかりが悔やまれ、ただ涙が流れるばかりだった。


それから両親の職場に連絡すると、二人とも早退して帰ってきてくれた。

3人で彼女との別れをしたとき、綺麗な花に囲まれた彼女の顔が印象的だった。




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寧々ちゃんへ


もう天国に着きましたか?

あの時、綺麗にしてあげられなくてごめんね。

兄弟のない私は、あなたと一緒に大きくなりました。

ありがとう。

家での人生は幸福でしたか?

私たちはとても幸福でした。

あなたより良い犬はいないと思います。

もう病気は痛くない?

ゆっくり休んでね。

さようなら。