http://mainichi.jp/enta/art/news/20090601dde018040057000c.html

建築家で東大教授の隈研吾さんがこのほど、東京都渋谷区のGAギャラリーでギャラリートークを行った。同ギャラリーが開催した建築家48組の最新住宅を模型などで紹介する「住宅プロジェクト2009」展(5月31日で終了)に合わせたイベント。学生や建築ファンら約100人が熱心に耳を傾けた。

 隈さんはまず、同展で紹介した北海道・洞爺湖畔に建設中の個人住宅について説明。同住宅は大半部分を天井まで本棚を張り巡らした図書室が占有しているのが特徴だ。「住宅といえば間取りが先決だと考えられがち。だが、この家のように住人の趣味や仕事など、生活上の切り口から設計を展開していくことが重要になっていくのではないか」と語った。

 また、好きな住宅建築家として、米国で1920~40年代に活躍したルドルフ・シンドラーの名前を挙げた。「屋上にベッドを置くなど、開放的な身体感覚があるスタイルの良さを見直したい」と話した。【永田晶子】