近代建築の巨匠ル・コルビュジエ(一八八七-一九六五年)の設計した国立西洋美術館(台東区)など六カ国二十二カ所の建築群の世界遺産への一括登録をめぐって、ユネスコ世界遺産委員会の諮問機関「国際記念物遺跡会議」が十一日夜(日本時間十二日未明)、「延期」を勧告したことで地元では落胆の声が広がった。
(したまち支局取材班)
登録を目指すのは「ル・コルビュジエの建築と都市設計」。同区は吉住弘区長らが先月中旬、パリのユネスコ本部やフランス文化省を訪れ、地元の熱意を伝えたばかり。六月の同委員会で延期が決まれば、再審査にはさらに約一年半かかるが、区は十五日に世界遺産登録推進室を新設、「勧告の詳細な内容を入手し対応を考えたい」と巻き返しを図る。
同美術館では、六月四日から開館五十周年記念企画展「ル・コルビュジエと国立西洋美術館」を開く。甲野正道副館長は「世界遺産登録をにらんだ企画だけに(勧告は)がっかりだが、データを集めるいい機会」と前向きにとらえる。
日本におけるコルビュジエ研究の第一人者の山名善之・東京理科大准教授は「登録に向けて重要なのは、地元が世界共有の財産として理解し、応援していること」という。上野公園や商店街には、世界遺産登録に向けた旗や横断幕が掲げられ、区が企画した同美術館見学会は昨年四月から計二十六回に上った。山名准教授は「台東区の盛り上がりは目に見える形で出ている」と活動を評価する。
山名准教授によると、コルビュジエの文化会館や集合住宅のあるフランスのフィルミニ市では「コルビュジエ美術館」を建設。教育現場でもコルビュジエが提唱した新しい都市のあり方を取り入れ、多くの観光客も訪れているという。
(したまち支局取材班)
登録を目指すのは「ル・コルビュジエの建築と都市設計」。同区は吉住弘区長らが先月中旬、パリのユネスコ本部やフランス文化省を訪れ、地元の熱意を伝えたばかり。六月の同委員会で延期が決まれば、再審査にはさらに約一年半かかるが、区は十五日に世界遺産登録推進室を新設、「勧告の詳細な内容を入手し対応を考えたい」と巻き返しを図る。
同美術館では、六月四日から開館五十周年記念企画展「ル・コルビュジエと国立西洋美術館」を開く。甲野正道副館長は「世界遺産登録をにらんだ企画だけに(勧告は)がっかりだが、データを集めるいい機会」と前向きにとらえる。
日本におけるコルビュジエ研究の第一人者の山名善之・東京理科大准教授は「登録に向けて重要なのは、地元が世界共有の財産として理解し、応援していること」という。上野公園や商店街には、世界遺産登録に向けた旗や横断幕が掲げられ、区が企画した同美術館見学会は昨年四月から計二十六回に上った。山名准教授は「台東区の盛り上がりは目に見える形で出ている」と活動を評価する。
山名准教授によると、コルビュジエの文化会館や集合住宅のあるフランスのフィルミニ市では「コルビュジエ美術館」を建設。教育現場でもコルビュジエが提唱した新しい都市のあり方を取り入れ、多くの観光客も訪れているという。