
メタボリックシンドロームで問題となる肥満とは、単なる体重の重さではなく「脂肪組織が過剰に蓄積した状態」を示します。また、肥満を放っておくと男性ホルモンの低下を招き、ED(勃起障害・勃起不全)を引き起こしやすくなるという指摘もあります。
肥満を解消する早道はバランスの良い食生活を心がけ、適度な運動に努めることです。とりわけ、適切な食習慣は生活習慣病であるEDの予防にもつながります。では、どんなことに気をつければよいのでしょうか。
バランスの良い食生活が予防の第一歩陰
肉類を減らし、魚や野菜を増やすバランスの良い食生活はED予防を促す
茎の動脈硬化を原因のひとつとするEDは血管障害の一種であり、糖尿病や高血圧症、脂質異常症(高脂血症)などと同じ生活習慣病の仲間といえます。生活習慣病にならないためには日常生活への気配りがモノを言います。特に、体調維持に深く関わる毎日の食生活に注意を払うことが大切です。
とはいえ、EDだけに作用する特別な食べ物はありません。逆に言えば、生活習慣病全般に効果のあるバランスの良い食生活を心がければED予防を促すと考えることができます。
過剰なエネルギーをとらないようにするこれまで述べてきたようにEDの原因の1つに動脈硬化があります。動脈硬化性疾患(心筋梗塞や脳梗塞など)を招く重要で危険な状態であるメタボリックシンドロームは、食べ過ぎによる栄養過多や運動不足などで内臓脂肪が蓄積している状態を言います。
ですから、メタボリックシンドロームに陥らないためには、内臓脂肪を蓄積させる悪い生活習慣の改善に取り組むことが大切です。生活習慣の改善は動脈硬化性疾患の発症や進行を阻む上でも効果があります。その対策の中心は食生活を正すことです。
第一に、肥満の原因となり、脂質異常症をはじめとするさまざまな危険因子の合併を引き起こす過剰なエネルギー摂取を見直すことです。総エネルギー摂取量を制限すると、総コレステロール値や中性脂肪値を低下させ、冠動脈疾患の進行を抑えることができます。
参考までに、動脈硬化性疾患予防ガイドライン(2007年版)では、脂質異常症における食事療法の基本として、適正なエネルギー摂取量を標準体重