「塾長が教えているかどうか」
これは、個別指導塾選びにおいて、重要なことです。
塾長が講師ではない欠点は、以下の通りです。
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1. 講師の考え、意見に共感することが出来ない
2. 経営に走りやすくなる
3. 入試の傾向を把握しにくい
4. 講師の質を見分けられない
5. 講師に問題を指摘し、改善策を示すことが出来ない
6. 講師になめられる
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塾長が教えていないことで、講師の気持ちが分からなくなり、衝突することがあります。
これは、「経営」的視点から見た塾運営と、「教育」的視点で見た塾運営は違うからです。
「ビジネス」として割り切っている講師であれば、塾長の考えに従うでしょう。
しかし、中には、「教育者」としての講師も存在します。
この様な講師との考え方の違いが、決定的なものになりやすくなるのです。
教育者は、あくまでも、「教育」的視点で考えようとします。
これは、「利益」を犠牲にしてでも、生徒のことを考えようと言う視点です。
しかし、塾長が経営に徹すれば、利益を追求する「経営」的視点が生まれます。
塾と言えども、営利企業ですので、全ての利益を犠牲にすることは出来ません。
ただし、だからと言って、利益のみを追求すると、質の低下を招きます。
つまり、「教育」と「経営」の双方の視点を、バランスよく持つことが必要です。
経営者塾長には、このバランスを保つことができにくいという欠点があります。
「教育」的視点は、実際に生徒を担当し、その生徒のことを想うことで生まれる考えであるからです。
そして、経営者塾長と、教育者講師は、考えの溝が深くなり、衝突してしまうのです。
ちなみに、前述した、「ビジネス」として割り切っている講師は、どちらの視点も持っていません。
あくまでも、自分の利益を追求するタイプです。
ですから、自分の利益になると思った方の味方になります。
(たいてい、生徒の前では「経営」側をさりげなく批判し、自分は生徒のことを考えているんだと言うフリをし、塾長の前では従順であるフリをしています。もしくは、淡々と授業をこなし、波風を立てることはしません)
話を戻すと、これにより、教育者講師が塾を去ることになります。
ビジネス講師は、一定の「質」は保ちますが、最高レベルに届かせようとはしません。
教育者講師は、質を追求しようとします。
つまり、教育者講師が去ることにより、「普通」の塾になってしまって、「良い」塾にはならないのです。
塾業界において(学校においてもですが)、実は、教育者講師の存在は貴重です。
生徒にとっては、純粋に生徒のことを考えてくれる、教育者講師に巡り会いたいでしょう。
教育者講師がいるかは、塾長が実際に教えているのかが影響してくるように思います。