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類(ゲノス)、種(エイドス)と種差(デイアフオラ)について。

類はその種から離れて別に存在することはできず、類が種差を表すことはない。したがって類が種となることもない。

例  類としての一(ト・ヘン)は「一つである」と言うことはできず、また、存在(ト・オン)が「存在する」と言うこともできない。なぜなら種(種差)とは個物に対する述語であるから。

不可分のもの(個物)とは、質料(ヒレー)と形相(エイドス)との結合体(シノロン)である。

個物に類が存在するのは、先や後といった区別がない場合である。善いものや悪いものといった区別があるものに対しては善いものが必ず先であるから類は存在しない。

二(デイアス)に代表される数や図形にはそれら以外に種は存在しない。

類≒種 ? 類と種との違いが明確ではないように思われる。

人間とは、 二本足の   感情ある   生命ある  動物である。

上の例ではさしずめ「二本足の」が最高の類、「動物である」が最下の種と考えるべきか。

ここでは最高の類、つまり普遍的で包括的なものと、最下の種、すなわち不可分のものを最も近くに述語するものとのどちらがものの原理(アルケー)であるかの考察がなされているが、難問(アポリア)だけにこの時点ではまだ結論が出ていない。

ものの原理をめぐる同義反復

最高の類が原理?→原理が無限に存在?→一は種において不可分割→最下の種が原理?→種が個物から離れて別に存在=普遍的な存在→最高の類が原理?