
こちらが今回のブレーシングのスキャロップ加工です。
前作では控えめスキャロップの頂点を尖らせる形状としてましたが、今回はそれなりにえぐった断面はそのままにしてます。


フィンガーブレースは相変わらず全力で削ってますね。
そもそもこの形状でしか作ってないので違いが試せないですが、フィンガーブレースはもうこの形で良いんじゃないかと。
Xブレースのボトム側もそれなりにえぐります。
もっともスキャロップを売りにした製品と比べると、まだセミスキャロップドってとこでしょうか。

トーンバーも同様に削りますが、今回のミソですが、ブリッジプレート側のトーンバーはブックマッチ中央部に山をもたせて中央強度を上げてます。
鳴りだけで言えば、ブリッジプレート下部は可能な限り強度を落とすほうが鳴るでしょうけど、剛性をあえて少しもたせてます。
前作を力強くストロークした際に、大きく鳴るのですがある程度の強さから鳴り方がサチュレートするような感覚があったのですが。
例えば90%くらいの力でのストロークで100%の音量でなってしまう感と言いますか。
剛性を増したブリッジプレートとトーンバーの剛性で、フォワードシフテッドの広さなどうまい割合で効果が出てくれることを祈ります。
ちなみに私のXブレーシングパターンのトーンバーは、スタンダードXに近い配置なので、マーティンのフォワードシフテッドのヴィンテージのパターンよりもブリッジプレート周りの空間は若干狭いです。


Xブレースのスキャロップは若干ですが、低音弦側のほうが大きいです。
ボジョワー先生のギターあたりだと高音弦側はスキャロップしていなかったような。
こんな感じですが、さてどんな音が鳴るでしょうか。
楽しみでしょうがないですね。
続いて、サイドバックと合体して箱になってもらいましょう。

箱にするために飛び出してるブレーシングがおさまるように溝を切ります。

センターを合わせたトップをあてがった上でポイントを記して、削っていきます。
今回はノコで直線を切る感じで溝を入れて、棒ヤスリで削り倒しました。
前回はノミなど刃物を使いましたが、ライニングが欠けるんですよね。
ヤスリで削るほうが圧倒的に綺麗に手早く仕上がりました。
なお、しゃかしゃか削っていくのは大変労力がかかります。
前回はタングーブレース以外、全てのブレーシングをサイドと噛み合わせましたが、今回はXブレースだけ噛み合わせます。
フィンガーブレースもトーンバーもライニング手前でついえる形になっているんです。
これが鳴りを生み出すのか、音の伝達を絶ってしまうのか。
変化点がこれだけじゃないので、比較することは困難でしょうけど、いろいろやってみたくなるんです。
さて接着します。

私も日本人なので、接着した後のボンドは綺麗に拭き取ってできるだけピカピカに作りたくなります。
しかし、本当は接合部にほんの少しボンドが残るぐらいで乾燥させて、接合部の角にわずかにですが皮膜が残るほうが、クラックの入りにくさや、剥離しにくさを考えれば強いのではないかと思ったりします。
この辺は悩ましいです。
よくいろんなところで耳にする言葉に、高精度にきっちり作ると鳴らなくなるという噂があります。
基本的に、剛性が低いほうが振動が大きくなり音量が出やすくなると考えられますので、確かに理にかなっているような気がするのですが。
しかし、木組みの組み合わせや接着部の仕上がりがまちまちで接着強度にばらつきが出るようなラフさを持たせると、鳴ってみたり鳴らなかったりと、それこそコントロール出来なくなるのではないでしょうか。
それをコントロールするためのブレーシングパターンであったり、各部の寸法であったりするわけなんで、そういった設計の範囲で鳴らすようにしつつ、構造的なところは強固にした作りでやっていきたいと考えます。
さて、どんな箱になることでしょう。