二宮正治の広島を舞台にした小説 明日を夢見る若者物語 第23回 モンティーミヨシは、あかりだけでなく勇次や美紀も呼んで、「昭和の歌」 を聞かせた。東京ラブソディー、蘇州夜曲、旅の夜風、これらの戦前の歌から、リンゴの唄、上海帰りのリール、チャンチキおけさ、有楽町で逢いましょう、 昭和二十年代から三十年代の歌である。三人は、「不思議だ、生きているはずもないのに懐かしい感じがする」 こう言うのである。