ぼくは、いろんな人のカウンセリングをする。
試練に直面している中で、相談にくる人は多い。
人々は、いかに自分の置かれている状況が
悲惨で大変かを訴える。
しかし、ぼくは言う。
「でも、今ここにいるじゃないですか!?」と。
どんなにつらい人生だったとしても、
今、それを乗り越えて、
この場にいるという現実に
目をとめるべきだ。
いろいろあったかもしれないし、そのときは、
あまりにつらすぎて、生きるのも
いやだと思ったかもしれない。
しかし、結局のところ、今、この本を
手にしているあなたは、それを乗り越えてきた。
それは、ほかでもない、あなたが、
試練を立派に乗り越えてきたという動かぬ証拠で
あり、誰にも取り去ることのできない
勲章なのだ。
そして、あなたの遭っている試練、
またこれから遭う試練、それが何であれ、それは、
他の人が知らないようなものではない。
この点についても、ぼくは、
パウロの言葉に同感だ。
試練に遭っているとき、多くの人は、
「なんで自分ばかり?」と思う。
だが、ぼくは言おう。
あなたの試練は、
特別なものではない。
ちっとも特別じゃないのだ。
どこにでもある問題だ...。
備考:この内容は、
2009-7-10
発行:ディスカヴァー・トゥエンティワン
著者:石井希尚
「開けない夜はない」
より紹介しました。