OPEN the door

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優美を助けてから何日たった頃だったか、俺は最強と全力で殺し合いをした。

最強を超えたい、俺はただそれだけを思って殺し合った。

だけどその気持ちは俺をどんどん暗い道へと踏み込ませた。

遂にはこの地球を支配するほどに・・・。

そして大勢の人間を殺そうとした。

もちろん俺は自分のやろうとしたことが間違っていたとは思わない。

だが、それ以外にも方法があったんじゃないかと今は思っている。


そして現在に至る。

優美も最強も、今は高校生になった。


俺は年を偽造して、優美と同じ高校に入った。

・・・ちなみにそこには最強とあの少年もいる。


これは工業高校情報処理科でのお話。


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入学したての頃、さすがに工業高校と言うだけあって女子はほとんどいない。

俺たちの属する情報処理科にも女子は優美だけだ。

優美は容姿端麗、頭脳明晰、まさしく完璧だ。

そしてそんな子羊を獣たちは放っておくはずもなく、優美は瞬く間に学校一のモテ女になった。


しかし俺はそんな奴らの中でも、大きなアドバンテージを持っていた。

それはやはり優美を助けたことだ。


優美も最初、俺が同級生ということに驚いていた。

だから俺は優美に年を誤魔化してることだけ話した。

優美は笑って「そうなんだ」と一言いっただけで、それ以上は聞いてこなかった。


「なにボーっとしてるの?」


そう問いてきたのは、今俺の中の話題の渦中にある人だった。


「いや、ただ部活とやらをどれにするか考えてたんだ。」


俺はそう、誤魔化した。

ほんとはもう決めている。


「そっかぁ、まだ迷ってたんだね。

・・・じゃあ私がマネージャーのテニス部に入んなよ!」


「えっ?」


これは予想外だった。

優美は獣共がうるさいためか、所属する部活を隠していた。

そして、俺が入ろうとしていた部活のマネージャーだったなんて思わなかった。


「・・・それも悪くないな。

分かった、テニス部にする。」


「やった!

じゃあ私、一生懸命レイのサポートするね。」


優美といるだけで獣共の視線が痛いくらいなのに、こんな会話をしていることを聞かれたら大変だろうなぁと思いながら俺は優美の耳元で囁いた。


「楽しみにしてる。」


優美は顔を赤くしながら、レイを軽く叩いた。


いつからだろうか、優美とこんな風に話せるようになったのは。

最初はお互い敬語だったしほんとにぎこちなかった。

気が付いたらこうなっていた。

まるで小さいころからの友達みたいに。


いつ以来だろうか、他人といる時間が楽しく感じたのは。


「レーーーイ!!」


後ろから声をかけられたかと思うと、思い切りぶつかられた。

それは俺が初めて友となった矢野 恵助 (やの けいすけ)だった。


「いって・・・お前な・・・・・・」


「ごめんごめん、それよりさ、はやく屋上行かないと場所とられちまうぜ。」


「大丈夫だろ、いつも屋上あまり人いないからな。」


「いやいや、油断は禁物だ。

常に全力を尽くさねば!!」


「わかったわかった、・・・優美」


「あ、私後から友達と行くね」


「そうか、じゃあ先行ってる」


俺たちは先に屋上の階段を上った。


~つづく~