
予告
『バンド・オブ・ブラザース』(Band of Brothers)は、スティーヴン・アンブローズのノンフィクション作品、およびそれを原作にした2001年製作のテレビドラマ。
第二次世界大戦におけるアメリカ陸軍第101空挺師団第506歩兵連隊(英語版)第2大隊E中隊の訓練から対ドイツ戦勝利・終戦までを描く。
制作スティーブン・スピルバーグ トム・ハンクス
登場人物
"ディック"リチャード・ウィンターズ少佐" ダミアン・ルイス
①~⑩話通してのの主人公。
彼を中心に進んでいく。
ルイス・ニクソン大尉 ロン・リビングストン
ウィンターズの最も長い戦友。
カーウッド・リプトン少尉 ドニー・ウォルバーグ
"ビル"ウィリアム・ガルニア軍曹 フランク・ジューズ
“ドン”ドナルド・マラーキー軍曹 スコット・グライムス
"バック"リン・コンプトン中尉 ニール・マクドノー
ロナルド・スピアーズ大尉 マシュー・セトル
“ブル”デンバー・ランドルマン軍曹 マイケル・ガトリッツ
フランク・ペルコンテ軍曹 ジェームズ・マディオ
人数が多すぎるので省略。
登場する人物は全て存在した実名。
あらすじ
米陸軍101空挺師団・第506パラシュート歩兵連隊E中隊(Eazy Company)を中心に展開していく。
ノルマンディ降下作戦からユタ・ビーチ制圧、マーケット・ガーデン作戦、バルジの戦い(バストーニュ)、ベルヒデスガーデンの奪取と、長きに渡ったドイツ軍との交戦を描いていく。
実在した人物と物事をリアルに投影した戦争の悲惨さを伝える作品。
ネタバレと感想
今回はネタバレ要素少なめ
1本おおよそ120分の作品x5本という長編作品。
プライベート・ライアンで登場した101空挺師団を中心に話は進んでいく。
ノルマンディ降下作戦という前代未聞の作戦から終盤のユダヤ人隔離施設との遭遇、ラストに戦争は何を残すのかという作品であった。
スティーブン・スピルバーグとトム・ハンクス
と言えば、プライベート・ライアンだが、本作品も臨場感を伝えるためにハンディーカムを用いるなど、戦闘シーンでは緊張感と迫力が伝わってくる。
物語(現実に起きたことなのでこう表記するのはいささか納得いかないが)が進んでいくにつれ、初期に所属していたE中隊のメンバーが減っていき、またある日には、焦点を当てていた人物が簡単に倒れてしまったりと、常に死が傍にいる事を作品全体を通して伝えてくれた。
当然理不尽なシーンや、狂気に満ちたシーンもある。
軍隊での厳しさであったり、無抵抗な捕虜の頭を撃ち抜いたり。
戦争は人を狂わせるものだという事がよく伝わった。
無抵抗な捕虜の頭を撃ち抜くなど社会的にはあってならないことなのだが、常に死と隣り合わせで何年も過ごせば、感覚も麻痺してしまうのだろう。
実際にそういったことが起きても、とくに止める事もなく傍を過ぎ去っていくシーンがあった。
この描写で言える事は、環境が人を変えていくということだろうと私は思う。
もちろん時が優しく穏やかに流れるシーンもある。
ベッドに白いシーツ、温かい飲み物に、シャワー付き。
今の私たちからすればあって当たり前でも、当時の環境からすれば、それはまるで天国のような場所だったのだろう。
そんな描写がより一層戦闘シーンでの悲惨さを際立てていた。
終盤に登場するユダヤ人の収容所のシーンは観ているだけで心が掴まれたような気持ちになる。
痩せ細った死体の山に、激しい悪臭、アメリカ兵に助けを求めるユダヤ人とポーランド人。
ヒトラーの行為は本当に許されない行為である。
収容所が多すぎて一度に対処出来ず、その収容所に再び戻ってもらうという事をユダヤ人たちに伝えなければいけなくなった、ドイツ語を話せる兵士は、ユダヤ人に収容所へ戻るよう伝えた後、泣き崩れるというシーンもあった。
このシーンはとても良く出来ていた。
ドイツ語で伝えるシーンは翻訳が一切流れず、表情とその場の空気だけでこちらに干渉してくるのだが、またそれがドイツ語を話せる通訳の無念さや、ユダヤ人たちの絶望をよりひきたてていた。
沢山の仲間や部下の死を経験して、ウィンターズ少佐は最期、何を思うのか。
興味がある人は是非観てください。
ウィンターズ少佐1997年に引退し、2011年1月に死去したが、E中隊の中隊長経験者では最後に亡くなった人物であった。
10/9