グローリー -明日への行進-(2015年)
グローリー -明日への行進-

予告


Wikiから抜粋
『グローリー/明日への行進』(原題:Selma)は、2014年のアメリカの歴史ドラマ映画。
ポール・ウェブによる脚本をエイヴァ・デュヴァーネイが改稿・監督した。ジェームズ・ベヴェル、ホジア・ウィリアムズ、南部キリスト教指導者会議のマーティン・ルーサー・キング・Jr、学生非暴力調整委員会のジョン・ルイスによって先導された1965年のアラバマ州セルマからモンゴメリーへの行進を題材としている。

2014年11月11日にAFIフェストで初上映され、2014年12月25日にアメリカの一部の地域で、行進から50年となる約2か月前の2015年1月9日に北米全域で劇場公開された。
第72回ゴールデングローブ賞では作品賞、主演男優賞 (両ドラマ部門)、監督賞、主題歌賞の4部門に、第87回アカデミー賞では作品賞と主題歌賞の2部門にノミネートされ、いずれも主題歌賞においてのみ受賞に至った。
日本では2015年6月19日公開。

あらすじ

アメリカ公民権運動がアメリカを揺るがしていた最中、アラバマ州セルマで起きた血の日曜日事件を軸に展開していく。

マーティン・ルーサー・キング・Jrは黒人の差別へ抵抗し、考えを広めていく。
それはとてもリスクのあることだったが、彼の信念は揺らがない。
様々な苦難を乗り越え、彼はデモ行進を企てる。
セルマからモンゴメリーへ約80kmの大行進だ。
セルマからモンゴメリーへ続く橋を渡る時、あの歴史的大事件が発生する━。

ネタバレ&感想

今回は先週2015年6月19日に公開された、キング牧師のお話。
思い出しつつ、感想を主として書きます。

マーティン・ルーサー・キング・Jrを演じるデヴィッド・オイェロウォの演説での演技は力強く、リーダーシップを発揮し、先頭に立つ者は彼がふさわしいと納得出来る。
彼の非暴力主義は徹底されており、最後の最後まで貫き通した。
人を動かす事において彼の考えは大成功と言えるであろう。

政府の盗聴、嫌がらせの電話、殺害予告と彼の家族は疲弊していく。
殺害予告を受け悩む夫人
活動が広まれば広まるほど彼の周囲は危険に満ちていき、中には命を落とす若者まで出てくる事
態となった。

と、同時に家族への嫌がらせも限界に達する。

それでも彼はめげなかったし、苦悩しながら、犠牲を払いながら突き進む。
私個人としては、キング牧師の夫人の忍耐力に賞賛を送りたい。
子供の頭を吹き飛ばすなどと日々大切な家族が脅迫され、常人であれば気が狂っていたであろう。

更にFBIからキング牧師が不倫の最中のような工作されたテープを電話口で流されたりと、精神的に追い込まれていく。
それでも夫人はキング牧師を最後まで信じ続ける様は、彼女の愛の深さに驚きを感じた。
非暴力で訴える
小規模なデモから中規模へ、中規模からセルマの大行進へ移る間に、学生非暴力調整委員会のデモ参加者が殺されてしまう。
彼はまだ19歳(おそらく)だった。
老いた祖父と母を残し、先に逝ってしまった、彼。
母は家から出られず、祖父は遺体の傍で泣き崩れる。
祖父(82歳)はキング牧師に、「選挙権は死ぬまでに貰えるのだろうか。」と問う━。


キング牧師は死んだ彼の事を演説し、更に結束力を固め、セルマのデモへと繋げていく。
同時に大統領にも公民権を認めれば、デモは取り消す事を伝え続けるも、大統領は一向になびかない。
演説する牧師

ついにセルマからモンゴメリーへ続く80kmの大行進が行われる。
橋を渡る一団
キング牧師は参列していない。

記憶がおぼろげだが、戦略の為だったような…。
大勢の黒人が参列し、粛々と列をなして歩く様は非暴力であっても威圧感があり、説得力がある。
ついにセルマの橋へ到着。
対面には警官隊━。
2分以内に撤退しろとの指示に動揺するデモ隊。

ついに衝突が始まった!
騎馬隊に弾き飛ばされ、警棒で殴られ、銃声まで聞こえる。
臨場感溢れる映像に、逃げ惑う人々。
倒れて蹲る(うずくまる)者、動かなくなった者、助けを求める者、みな最後まで非暴力を貫いたが、その代償は大きかった。
その様子は全世界で報道され、テレビ中継もされていた。
全世界7000万人が観たという。

キング牧師の考えに賛同し、全世界から彼の元へ共感者が集い始める。
ここで非暴力を貫いた事が大きく花開き、再びセルマからモンゴメリーへの大規模デモ行進を計画。
参列者に白人が3割参加するというまさに革命が起きようとしていた。
デモ当日、キング牧師も参加。
デモ行進する牧師
最前列の中央に立ち、あの血の日曜日事件が起きた場所まで舞い戻ってきた。
目の前には警官隊。
今回も前回同様、血を見る事となるのだろうか、緊張が両者の間で張り詰める。
すると突然警官隊が道を空けた。

道が開かれたのである。
しかし、キング牧師は進まない。
何かを察したのだろうか、何が彼をそうさせたのか分からなかったが、牧師は跪き(ひざまずき)、警官隊へ背を向け、引き返してしまった。
主を失ったデモ隊は解散。
士気が下がってしまった焦りに駆られ、集会所で幹部たちは牧師を問い詰める。

そんな最中、デモに参加した白人が殺されてしまうという事件が起きる。
いよいよくるところまできてしまったようだ。
牧師は今一度自身を奮い立たせ、デモ行進の舞台へ舞い戻り、牧師は再び立ち上がり、セルマからモンゴメリーへの大行進を推し進めていく。
デモ当日、再びセルマの橋まで到着し、ついに彼は橋を渡り切った!
確かここでエンドロール、当時の行進の映像が流れていたと思う。
最後の演説


感想

未だ映像作品化されていなかったキング牧師の物語。
映像では伝えられなかった惨劇が恐らく沢山あったであろう。
とくに黒人に対しての弾圧は目を覆うような一幕も。
ただ、やはり歴史は知って後世に伝えていかなければならないのが、人間の本質で、この出来事も語り継がれていくべき出来事である。
冒頭で少し述べたが、キング牧師の夫人は映像の描写以上に辛い想いをしたのではないだろうかと勘繰ってしまう。
おぞましいこの間違った事件は知っておくべきだし、キング牧師の人心把握術や、スピーチの上手さは現代においても参考になる人が多いのではないだろうか。
いつかもう一度見て、新たな視点を見つけたい、そう思う作品だった。

10/7

2015/7/1投稿
2015/7/26リメイク