麻酔科の手技で硬膜外麻酔というのがあります。全身麻酔の前に背中や腰から『硬膜外腔』という脊椎(背骨)の中にある空間に細いチューブを入れ、そのチューブから鎮痛薬を入れる鎮痛方法の一つです。主にお腹の手術の時に使い、うまく効くとびっくするほど痛みが軽減されます。鎮痛効果は高いのですがチューブを入れる作業がやや難しい。チューブ挿入用の針を刺し、針先で脊椎の骨と骨の隙間から硬膜外腔を探す必要があります。また刺しすぎて膜を破ると髄液が漏れて頭痛が出現したり、もっと刺すと脊髄を傷つけてしまいます
以前に麻酔をメインで仕事していた頃、硬膜外は苦手でした。刺しすぎて起こる合併症が恐くて恐くて・・・よくうまくいかなくて上級医の先生に交代してもらっていました。
ところが昨年麻酔のバイトを始めて勉強し直したところ、硬膜外が以前より入りやすくなりました。そうすると入れるのが楽しくなって他の先生の症例も硬膜外だけさせてもらっていました。
先日も若い先生の症例でやらせてもらっていたんですがうまく入らない結局入らなくて困ったなあと思っていたら、若手医師が代ってくれて何事もなかったかのようにスッとチューブを入れてしまいました。
「僕が入らないのに若い先生が入れるのは難しいだろう」と思っていた訳ではないのですが調子に乗っていたのは確かです・・・かっこ悪い
反省しながら帰宅して、ジョギングしながら反省しました。反省して、ちょっと謙虚になって、それで上達したらまた調子に乗って、そんなことをずっと繰り返しています。