もう手に入れることが出来なくなってしまったお菓子を取り上げるのもどうかとも思ったが、記念のために記事にすることにした。
昨年、閉店した三筋の「吉岡堂」。
浅草からも上野からも微妙な距離があるこの三筋辺りに来ることはめったにないのだが、時折、蔵前や鳥越を散歩するついでに通る。
私がこの店を訪れたのは、去年(2017年)の5月22日。
直前にご主人が急逝したとかで、いまある品がなくなったら店を閉めるという時であった。
商店街でもない、下町のごくごく普通の街に佇む店だが、れっきとした和菓子店であった。
万延元年(1860年)創業の店。
通常であれば上生菓子などもズラリと並ぶ。
この日は当然、寂しい陳列ではあったが、お目当ての「峠もなか」はあった。
三筋「吉岡堂」の「峠もなか」
最中と呼んでよいのか、手焼で焼き上げた京風かるやきの皮に、餡を挟んだ独特のものだ。峠に雪がかかった姿をかたどったもの。粒餡、漉し餡の2種。
胡麻の風味の皮は不思議な食感だが、甘めの餡とよく合っている。
最中としての評価は微妙だが、和菓子職人の思いと技を感じさせるお菓子であった。
「最中を食べる」一覧は
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