早朝、ショッピングモールの有料自転車置き場を通るのが日課。

開店前だから、ポツンポツンと、自転車は数台しかない。

この時間駐輪場を使うのは、通勤の人たちなのでしょう。

同じところに、同じ自転車。

その中で、私がとても気になる自転車が一台あった。

なぜ気になるのかというと、

ここの駐輪場は、タイヤのところにロックが掛かって、使用料を払ったら解除される仕組みなんだけど

その一台だけ、いつもうまーくロックが掛からないように停めてあるのである。

いつも気になって、毎朝チェックしていたが、今までロックが掛かっていた事は一度もないの。

ズルい。

大半の人はちゃんとロックして、使用料を払ってるのに。

私だって時間を勘違いしてこれまで千円は課金したわよ。
五分オーバーとかで。結構悔しいよ。

せっかくの爽やかな朝なのに、通るたびモヤモヤしていた。

次見かけたら私がロックしてやろうか…なんて考えたりしてたら、

持主がまさに犯行しようとしているところに居合わせてしまった。

一応、罪悪感はあったのかな?

私が通り過ぎるまで自転車を停めずに待っている様子。

あんまりマジマジと見られなかったけど、25〜50くらいの年配ではない女性。

なんとなく、早く立ち去れムキーと睨まれてる気がしたので、
私はなんだか急にのんびり歩きたくなってしまい、一歩一歩ゆーっくり、地面を踏みしめ歩いた。
春の息吹きを感じた。
何故か、その日を境に自転車の事は気にならなくなった。