共通テストの問題全体を見て、「大学入試センターが裏技を封じようとしている」という印象を受けました。
その理由を説明します。
理科発展の2科目受験の場合、試験時間の最初の1時間が終了した時点で1科目目の答案を回収され、2科目目の答案は最後に回収されます。
問題文は開始したときに4科目分配布されます。
以前のセンター時代は、理科1科目受験の大学で受験者が採用する科目を選べたり、点数が高いほうの科目を採用してくれたりするところが多かったので、1科目受験でもあえて2科目受験する人がいました。
一方の科目を白紙で出して、もう一方の科目を解くのに2時間を充てるという技が使えるからです。
現在は、理科1科目受験の多くの大学が、複数科目受験者の1科目目の点数を採用することになりました。
このため、この技はおおむね封じられています。
(完全に封じられたわけではないです)
しかし、裏技はまだあります。
理科2科目受験で1科目目で時間を余らせる技です。
暗記的要素の強い生物や地学、物理よりは計算量・思考時間が少ない化学を1科目目に受けて、なるべく時間を余らせ、1科目目の余った時間を物理に充てます。
1科目目と2科目目の間には、1科目目の答案回収時間が10分間あります。
予備校によっては、プチ裏技としてこの10分間を2科目目を解くために使えるよう、1科目目の間に2科目目の問題くらい見ておこうと指導します。
この10分間は問題文を見たり、筆記用具を使ったりできません。
しかし、頭の中で考えるのは自由です。
ところが、最近の生物は実験考察問題が多くなった上に、今年は問題文の量、図表の数が増えたため、時間を余らせるのは難しかったとみられます。
しかも、大問3のようにじっくり考えないと選択肢を選びにくい問題が多かったので、時間を余らせたい受験者はあせったでしょう。
化学にも似たような傾向がありました。
地学だけは読図問題が増えたものの設問数が減ったので、時間を余らせる裏技は使えたかもしれません。
ただ、理科2科目受験の大学で2次試験に地学を使えるところが少ないので関係ありませんね。
古い話になりますが、私がセンター試験を受けたときは、物理・化学・地学がそれぞれ独立した時間割でした。
このほうが、裏技とかなくなってよいかなと思います。
ちなみに私は物理・化学・地学の3科目を受験して、いずれも7割台という結果に(涙)
高校受験までの知識で地学をよく解けたなあと驚いたことを覚えています(高校では受講せず)。
ーーー追記ーーー
落ち着いて見直すと、生物に限らず共通テストで「考えさせられる問題」が増えましたね。
2021年の生物は平均が73点弱と高かったですが、今年の予想平均は50点未満です。
裏技だけではなく、「暗記が得意だから生物」といった選び方も通用しなくなったのかもしれません。
こうした変化がセンター試験と比較して「問題の難化」ととらえられ、「私大では出ないような問題が出る特殊なテスト」と評され、共通テスト離れを助長しているようです。
個人的には考えさせられる問題のほうが好きですが、勉強の成果が見えやすい暗記問題が減りすぎると、「共通」で受ける「テスト」としての役割を担えなくなっちゃうので、1次である共通テストは暗記問題中心でよいように思います。