私は、今までに癌に関する書物をたくさん読んできたし、独学で医学や薬学の勉強をある程度した。

とはいえ、大学で医学や薬学を習ったわけではないし、そもそも大学進学すらしていない。

だから、これから述べる内容については、改めてその正否を確認されてください。

そして、もし、これから述べるアイデアを活用したいと思われましたなら、専門的に必要な全ての検討や調査をしていただき、安全性を慎重にしっかり確認しながら、進められてください。



癌には、いろいろな治療法がある。

その中で、今回は抗癌剤を使う治療に関するアイデアを述べようと思う。

癌を抗癌剤で完全に制圧するには、まだまだいくつかの克服しなければならない問題があるようだ。

その問題の一つに、癌が多くの抗癌剤に対して耐性を獲得してしまうという現象がある。

その原因の一つが、P糖蛋白の存在である。

P糖蛋白は正常な細胞にも存在しているが、一部の癌に非常に多く存在する。

P糖蛋白は細胞膜を貫通する状態で存在しているが、疎水性の物質の多くをその中に吸い込み、そして、細胞外に排出する。

親水性の物質は細胞膜を通過しにくいが、疎水性の物質は細胞膜を通過しやすいので、その点では疎水性の物質は抗癌剤として適している。しかし、疎水性の物質は細胞質に溶けにくいので、細胞膜の近くに留まっている間にP糖蛋白に吸い寄せられ、やがて細胞外に排出されるのだ。

そうであれば、P糖蛋白を多く持っている癌に対しては、まずP糖蛋白と反応してその働きを阻害する物質を投与して、適当な時間の後に、抗癌剤か、あるいは変化したP糖蛋白と反応してその時点で抗癌剤となるがP糖蛋白が持つ働きは阻害するような物質を投与する。あるいは、最初にP糖蛋白と反応する時に一部がP糖蛋白と結合してP糖蛋白の働きを阻害し、残りの部分が抗癌剤となるような物質を投与する。あるいは、最初にP糖蛋白と反応する時にP糖蛋白を変容させるか分解させてP糖蛋白の働きを阻害し、自らは抗癌剤となるような物質を投与する。1種類の物質の投与でP糖蛋白の働きを阻害し抗癌剤も作る場合は、ある程度の量の抗癌剤がまだ働きを阻害されてないP糖蛋白から細胞外へ排出されてしまう欠点がある。

ところで、いずれの場合でも、さらに適当な時間の後に、P糖蛋白とその阻害物質の複合体と反応して阻害物質をP糖蛋白から解離させるか、あるいは、P糖蛋白を変容させたか分解させたのであれば、それを元のP糖蛋白に戻す物質を投与する。それはP糖蛋白の働きを阻害する物質は正常細胞のP糖蛋白をも阻害するわけであり、正常細胞のP糖蛋白が長時間阻害され続けると副作用が生じると思われるからである。ただし、抗癌剤が癌に対して効果が上がる時間だけでもP糖蛋白の働きを阻害すると副作用が問題となるのであれば、今まで述べてきたアイデアは実用的とは言えない。

さらに、P糖蛋白の働きを阻害するための物質が細胞の外側からP糖蛋白と結合もしくは反応する場合は、P糖蛋白が正常な状態に戻るまでは、有害な免疫反応が起こらないようにするために免疫抑制剤を投与する必要がある。又、P糖蛋白の働きを阻害するための物質が細胞の内側からP糖蛋白と結合もしくは反応する場合でも、それによって細胞の外側にあるP糖蛋白の部分が変容あるいは分解するのであれば、その場合も免疫抑制剤を投与する必要がある。

もちろん、このような問題を考える時は、もっといろいろな角度から物事を多面的総合的に把握して考えていく必要があるかもしれない。

私は、今までに癌に関する書物をたくさん読んできたし、医学や薬学の知識をある程度は持っているが、医学や薬学の正式な専門家ではない。

だから、できるだけ多くの専門家の方に私のアイデアを知ってもらって、さらにより深く検討してもらえたらと思っている。

私がインターネットで調べた限りでは、数年前までに発表された文献の中には、癌を治療するためのP糖蛋白阻害剤について希望的に書かれたものがいくつもあったが、最近発表された文献の中には、そのような内容のものは全くない。

私が持っている医学書院発行の治療薬マニュアル2021年版の中にも、治療薬としてのP糖蛋白阻害剤は一つもない。

さらに、P糖蛋白とP糖蛋白阻害剤の複合体からP糖蛋白阻害剤を解離させる物質について書かれた文献は、私が今までに調べた限りでは、一つもなかった。

やはり、P糖蛋白阻害剤と抗癌剤の組み合わせだけでは副作用の問題があって実用的ではなかったのではないか。

もしそうであれば、P糖蛋白阻害剤と抗癌剤に加えて元のP糖蛋白に戻す物質を組み合わせ、さらにP糖蛋白阻害剤がP糖蛋白にどのように作用するかによっては免疫抑制剤を組み合わせたら、その問題は解決できるかもしれない。