と言う訳で引き続き、心身共にオンボロな最近のオレを奮い立たせてくれた「俺啓発アンセム」を感想と共にあげつらう、スイーツ極まりないプレイリストで。

それにつけても、いつからでしょうかね。

これまで気分が落ちてる憂鬱な時分にはあえて暗～い、ドンヨリとしたナンバーを聴き浸って、宿命に抗うヒーローとかヒロインみたいな気分を盛り上げていたのに。

でももう、そうゆうコトだけが「がんばる」って言うコトじゃないのはオトナだからわかる。

だからこそ毎日笑顔で、ご機嫌で、余裕を振り撒きながら仕事をするコトのカッコ良さ、安定感を持って人と付き合う素晴らしさ、

逆から言えばいくら日々無理難題を突き付けられ、苦渋を舐めるような毎日で、周囲にバカしか存在しないような環境下で、苛立ちと余裕のなさを全身から垂れ流しながら傍若無人に振る舞うコトのオトナとしてのカッコ悪さ？

結局、嫌な焦燥感に煽られて仕事するのは真面目が故なんだ。

そこを認識し、そんな自分を褒めてあげながら、可能な限り他人を不快にさせず、自分らしく仕事をしたい。

それが今のオレにとっての「がんばる」。

だから悲しい歌や怒号のようにアッパーな歌で自分を甘やかしたくないんだと思う。

自分が可哀想だ、とか思いたくないのね。

時には耳が痛くなるぐらいイタズラに前向きな、臆面もなく希望を叫び、鼻白むぐらい過剰にポジティブ臭い歌が必要。

そんな風に自分を奮い立たせて生きてるのが最近のオレ。

まったく、スイーツ臭いったら。

YUKI"JOY"

と言う「ミス・クソポジティブ」YUKIの大名曲は'05年発表の9th。

そうかぁ、もうリリースから10年？時の流れの残酷な早さに眩暈を催しつつ、10年変わらず、いや寧ろ年々この曲を好きになる自分と、変われない自分と、この曲から得る多幸感で変わらず笑顔になれて踊り狂える自分がカワユス、と自負。

それでいて10年変わらず可愛いYUKIにも戦慄。是非通ってるサロンを紹介して欲しい。

で、リリースから10年経つ今も性懲りもなく飽きずに弱った心を天使のように優しく包み込みながらも、

「アンタもうちょっとがんばんなさいよ」

「人生なんて短いのよ、浮かない顔してる時間なんてないわよ」

「まったくカツオのやつめ」とケツを叩いてくれるような高揚感。

天使であると同時に、そうゆう言わば「母ちゃん」感をも有するYUKIが歌う"JOY"は、身も蓋もない言い方ですが、年端も行かない青臭いアイドルではなくクソババアだからこそ歌えるアンセムだとも思う。

普遍的なコトばかりを歌いながら尚フレッシュな聴き心地を残し、彼女のフリー＆イージーな言語感覚とボキャブラリー、或いはコードに乗せてくセンスなのか、「イヤ今更お前にそんなコト言われても」寸前で、上等な説教をされてるようなカタルシスをくれます。

誰かを愛す事なんて本当はとても簡単、イエス・ノーどちらでもない事もある、死ぬまでワクワクしたい、その全てのフレーズの重み。押し付けがましさがないのに軽くもない。凄いなぁ、YUKIは。

所謂キラーリリック乱れ打ちです。

そんなフレーズたちを背に乗せ耳に運ぶ役目を担う蔦屋好位置の瑞々しいメロディラインも今尚色褪せない強度。

とにかくメロディ、歌詞、アレンジ全てに置いて不特定多数のリスナーの琴線を掴み、魂を揺さぶり、腰を踊らせ、気分を高揚させるポップソングとしての役割を十二分に果たしながらも、消費されるだけのポップミュージックではない、何か高尚で無垢で美しく、半永久的な鮮度を持ちながら、誰にも汚されない不可侵的な魅力。

ポップスがポップスを越え、クラシックになって行くコトがあるならばそれはこんな曲だと思う。ベタ褒めー。

そしてこの曲全体から醸す「許し」の精神に涙腺を刺激されつつ、人生なんて所詮「盛大な遊び」よ、死ぬまでドキドキワクワクしていようよ、と言う、難しい顔してPCに向かう上司の口からは絶対に出て来ないようなシンプルな教え。

真面目に遊ぶ。本気でふざける。それが人生に置ける「JOY」だと。

あとは「あたしが責任持つわ」とさえ付け加えてくれれば最高の上司だよ、YUKIは。

PLAY LIST♯227