あれから 
 
 
友人の衝撃的な死から
まる4年が経ちました。
 
友人とは言っても
というか、友人と恋人の間 微妙な関係にあったのですが
当時私は来る大型連休に会いに行って、
そこで微妙な関係を終わりにしようと
目論んでいました。
 
 その年は 桜の開花が異常に遅く、4月5日に予定されていたS邸での花見パーティー
には到底花は見られないといった具合で
ならばと思い、私は二日をかけてイメージ 1300枚もの桜型のクッキーを焼いて持参したのでした。
 
一泊してパーティーから帰宅後、一通のメッセージが届いていました。
「お花見どうでした?私は相変わらず仕事です・・・。」
 
報告も兼ねてメールで今後のスケジュールを尋ねたところ
返事がありません。
急かすのも嫌なので 話題を変えて再度メール。
三日後にまたメール。
 
結局二週間待ったあげくに、
彼は私への最後の返信をした翌朝、
交通事故で亡くなっていたことを
彼が経営していた会社のホームページを通して
知りました。
 
それは、私が桜のクッキーを夢中で焼いていたあの日、あの時間でした。
 
 
その後一ヶ月は常に泣いていました。
仕事中、運転中、一人の時は常時です。
(ラッキーなことに当時仕事では一人部屋を与えられていましたから。)
 
この悲しみは癒えるんだろうか?
いや、彼を忘れてしまうんだろうか?
当時は全てに対して絶望と不安を抱いていました。
 
数ヶ月が経ったある日、20年来の友人がこう言ってくれました。
「それはね、思い出になるんだよ」って。
 
 
ついに4年も経ち、それは大きな思い出になりました。 
 
私の 桜に纏わる思い出の一つです。