しばらくされるがままになっていると、不意に唇に柔らかな感触が乗ってきた。

「・・・・・・ん」

時間が、止まってしまったかのような感覚。驚きに目を見開いたままでいると、触れたときと同じ繊細さでそっと唇が離れていった。

いま、何が起こったのだろう?

座間隆徳の行動が飲み込めず、静止したまま動けずにいると、鼓膜をくすぐるように囁かれる。

「なあ、コータロー。俺とつき合ってみないか?」

「な・・・何云って・・・・・・」

何の話をしているのだろう。コータローはわけがわからなくなり、ばちばちと目を瞬かせた。

「一人でいるより、誰かと一緒にいたほうが気が紛れるだろう?こんなふうに泣いてばかりいたら、勉強にも身が入らないぞ」

「で、でも・・・・・・・」

「いまのキスはテストだ。されてみて、嫌だと思ったか?」

座間隆徳に―――――――好きな相手にされるキスが嫌なわけがない。

こうちゃんがふるふると首を横に振ると、座間隆徳はふわりと微笑んだ。その表情に思わず、ドギマギとしてしまう。

「じゃあ、これは?」

「・・・・・・っ!?」

再び座間隆徳の顔が近づいてきたかと思うと、ぐいと頭を引き寄せられ、唇を塞がれていた。

「ん・・・ぅ・・・・・・っ」

思わず目を閉じてしまったけれど、視界が閉ざされたぶんそれ以外の感覚が鋭くなる。

襟足を指先でくすぐられる感触に身じろぐと、少しだけ離れた座間隆徳が角度を変えて唇を合わせ直してきた。そして、するりと口の中に忍び込んできた座間隆徳の舌は、戸惑うコータローのそれを絡め取り、口づけをより深くする。