東大先端科学技術研究センターの赤座英之特任教授は5月24日、ノバルティスファーマ主催の腎細胞がん治療薬「アフィニトール錠」発売記者説明会で、「腎細胞がんの治療の幅が広がったことは間違いない。安全性の面から比較的使いやすい薬だと思っている」と評価した。

 腎細胞がんに対する薬物療法をめぐっては、サイトカイン製剤(インターフェロン、インターロイキン)に続き、最近になってバイエル薬品のネクサバール(発売=2008年4月)、ファイザーのスーテント(同6月)、ノバルティスファーマのアフィニトール(今年4月)と分子標的薬の発売が相次いでいる。
 アフィニトール(mTOR阻害剤)は、ネクサバールおよびスーテント(チロシンキナーゼ阻害剤=TKI)と作用メカニズムが異なり、ノバルティスでは「これまで使える薬剤がなかったTKI治療後の患者さんに使える薬剤」と位置付けている。

 説明会で赤座特任教授は、アフィニトールの安全性について「TKIで積み重ねてきた経験と比較すると、使いやすい薬だと思っている。ただ、免疫抑制剤であることから、感染症の合併患者や結核、肝炎ウイルスの既感染者などに注意が必要。また、肺に対する副作用が今までのものより強いという点に注意しなければいけない」と述べた。

 また、分子標的薬が抱える課題として、「臨床試験のスピードアップに伴い、効果・副作用の人種差が軽視されているきらいがある」とし、「日本国内での全例調査は非常に重要な意味を持ってくる」と指摘。また、「今のところ薬価が高いことに対する答えはないが、今後、各種薬剤に適した患者を選び出す治療の個別化が必要になってくる」と述べた。


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