■ 魂の詩(たましいのうた)
牡牛座の新月、本日はちょっぴりと、スピリチュアルなことに
触れてみたいと思います。
奈良少年刑務所での実際にあったお話しです。
◆ 寮美千子 (りょう・みちこ)さん
寮美千子さんは奈良市在住の作家・詩人の
昭和30年生まれの61歳。
去年の9月まで、奈良少年刑務所の受刑者
を対象に月一回の詩の授業を10年間ほど
行ってきました。
◆ 奈良少年刑務所
明治に建てられた「美しい刑務所」です。
ロマネスク調様式のレンガ作りの表門からして
ヨーロッパのお城か、貴族の邸宅に見えます。
大変立派な建物なんですが、威圧感が
まったく感じない、まるで遊園地の入り口か
とも思える作りです。
◆ 愛されてきた刑務所
刑務所といえば、地元からは「出て行け」
とばかり「邪魔物扱い」がほとんど。
ところが、奈良初年刑務所は地元から:
・ 「何とか残してくれ」
・ 「建てものは壊さないで」
このほど、国の重要文化財に指定される由。
ついに今年の3月末日で閉鎖され、その後は
この建物は残されるようです。
◆ 詩の授業
2007年に「詩の授業」が始まります。
よりすぐりの10人の受刑者が美千子さんの
詩の授業に参加者と選ばれました。
みんなと歩調を合わせることが苦手、だれかが
注意をしても会話が出来ず、内気で、自己表現
が超がつくほど苦手な少年たちでした。
◆ 自分達の詩
美千子さんは思考錯誤の末、受刑者たちに
詩を書いてもらうことにしました。
「詩を書いてください!」
そんなことを言っても、書けないですよね。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ 空が青いから白をえらんだのです
無理しなくてもいいんだよ。
うれしかったこと
悲しかったこと
なんにもなかったら、、、
「好きな色」についてでもOK!
としたら、作品が出来上がってきました。
◆ 雲(くも)
「そらがあおいから、白をえらんだのです」
それだけです。 一行だけ。
薬物中毒の後遺症があるG君の
作品でした。
◆ 言えた
ちょっとロレツが回らなくて、それから自分に
とても自信がないので。
いつも下を向きながら、早口でしゃべるのです。
「ちょっと読んでみてください」と自分の作品
を読んでもらいました。
「U、、A、、Da、、Desu」とよく分かりません。
皆んなに聞こえるようにゆっくりと読んでね、、
と再度リクエスト。
今度は、ゆっくりとでしたが、はっきりと
「そらがあおいから、白をえらんだのです」
と皆に聞こえるように言いました。
◆ 聞こえたよ
みんなから「大拍手」、、そして
「聞こえたよ」の声。
そしたら、G君が遠慮がちに手を上げて
「先生、、ぼ、僕・話したいことがあるんです。」
◆ G君のお母さん
「僕のお母さんは今年で7回忌です。」
「お母さんは体が弱かった、でもお父さんは
いつもお母さんを殴っていました。」
「僕はまだ小さかったので、お母さんのことを
守ってやることができませんでした。」
「お母さんは亡くなる前、病院で僕に
こういってくれました。」
「辛くなったら空を見てね、わたしはきっと
そこにいるから、」
「僕はお母さんの気持ちになってこの詩
を書いてみました」
◆ つぎから、つぎへと感想を
普段は感想などの発言がないんですが、、
これを聞いていた受刑者。
はいはい、はいと手を上げる。
「僕はG君はこの詩を書いただけで
親孝行をやったと思います。」
また手があがります。
「僕はG君のお母さんは雲みたいに
真っ白で清らかなひとだったんじゃ
ないかなと思います。」
また、ひとり「はい」と手があがります。
「僕もです。 G君のお母さんは雲みたいに
ふあふあで、柔らかくて、やさしい人だった
んじゃないかなぁと思います。」
◆ E君が手をあげました
勢いよく手をあげたのに、なかなか声が
出てきません。
ようやく絞りだすように声が出ました。
「僕は、お母さんを知りません。」
「でも、この詩を読んで、空を見上げたら
お母さんに会えるような気がして来ました。」
と言って、
わっ、、と泣き伏してしまいました。
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■ こころが開ける
ひとりがこころを「パーン」と開くと、またたく間に連鎖して
皆のこころが開けて行くのです。
そして、開いたときに出てくるのは
「優しい言葉」
なのです。
こころの扉を開けるというのは、日ごろの怨念、うらみ
辛みではないのです。
◆ 自傷行為だったE君
お母さんのことが知らなかったというE君は
自傷行為を繰り返していました。
何回も自殺未遂を繰り返していました。
この日を境にして、自傷行為はキッパリと
止んだとのことです。
◆ 受刑者
少年刑務所の受刑者といえば、犯罪行為を
おこなった少年たちです。
でも、魂が開くと、こんなにもこころ優しい
人たちなんです。
---
詳しくは 寮美千子さんの著書をどうぞ:
・空が青いから白をえらんだのです(新潮社)
・世界はもっと美しくなる(新潮文庫)
牡牛座の新月、本日はちょっぴりと、スピリチュアルなことに
触れてみたいと思います。
奈良少年刑務所での実際にあったお話しです。
◆ 寮美千子 (りょう・みちこ)さん
寮美千子さんは奈良市在住の作家・詩人の
昭和30年生まれの61歳。
去年の9月まで、奈良少年刑務所の受刑者
を対象に月一回の詩の授業を10年間ほど
行ってきました。
◆ 奈良少年刑務所
明治に建てられた「美しい刑務所」です。
ロマネスク調様式のレンガ作りの表門からして
ヨーロッパのお城か、貴族の邸宅に見えます。
大変立派な建物なんですが、威圧感が
まったく感じない、まるで遊園地の入り口か
とも思える作りです。
◆ 愛されてきた刑務所
刑務所といえば、地元からは「出て行け」
とばかり「邪魔物扱い」がほとんど。
ところが、奈良初年刑務所は地元から:
・ 「何とか残してくれ」
・ 「建てものは壊さないで」
このほど、国の重要文化財に指定される由。
ついに今年の3月末日で閉鎖され、その後は
この建物は残されるようです。
◆ 詩の授業
2007年に「詩の授業」が始まります。
よりすぐりの10人の受刑者が美千子さんの
詩の授業に参加者と選ばれました。
みんなと歩調を合わせることが苦手、だれかが
注意をしても会話が出来ず、内気で、自己表現
が超がつくほど苦手な少年たちでした。
◆ 自分達の詩
美千子さんは思考錯誤の末、受刑者たちに
詩を書いてもらうことにしました。
「詩を書いてください!」
そんなことを言っても、書けないですよね。
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■ 空が青いから白をえらんだのです
無理しなくてもいいんだよ。
うれしかったこと
悲しかったこと
なんにもなかったら、、、
「好きな色」についてでもOK!
としたら、作品が出来上がってきました。
◆ 雲(くも)
「そらがあおいから、白をえらんだのです」
それだけです。 一行だけ。
薬物中毒の後遺症があるG君の
作品でした。
◆ 言えた
ちょっとロレツが回らなくて、それから自分に
とても自信がないので。
いつも下を向きながら、早口でしゃべるのです。
「ちょっと読んでみてください」と自分の作品
を読んでもらいました。
「U、、A、、Da、、Desu」とよく分かりません。
皆んなに聞こえるようにゆっくりと読んでね、、
と再度リクエスト。
今度は、ゆっくりとでしたが、はっきりと
「そらがあおいから、白をえらんだのです」
と皆に聞こえるように言いました。
◆ 聞こえたよ
みんなから「大拍手」、、そして
「聞こえたよ」の声。
そしたら、G君が遠慮がちに手を上げて
「先生、、ぼ、僕・話したいことがあるんです。」
◆ G君のお母さん
「僕のお母さんは今年で7回忌です。」
「お母さんは体が弱かった、でもお父さんは
いつもお母さんを殴っていました。」
「僕はまだ小さかったので、お母さんのことを
守ってやることができませんでした。」
「お母さんは亡くなる前、病院で僕に
こういってくれました。」
「辛くなったら空を見てね、わたしはきっと
そこにいるから、」
「僕はお母さんの気持ちになってこの詩
を書いてみました」
◆ つぎから、つぎへと感想を
普段は感想などの発言がないんですが、、
これを聞いていた受刑者。
はいはい、はいと手を上げる。
「僕はG君はこの詩を書いただけで
親孝行をやったと思います。」
また手があがります。
「僕はG君のお母さんは雲みたいに
真っ白で清らかなひとだったんじゃ
ないかなと思います。」
また、ひとり「はい」と手があがります。
「僕もです。 G君のお母さんは雲みたいに
ふあふあで、柔らかくて、やさしい人だった
んじゃないかなぁと思います。」
◆ E君が手をあげました
勢いよく手をあげたのに、なかなか声が
出てきません。
ようやく絞りだすように声が出ました。
「僕は、お母さんを知りません。」
「でも、この詩を読んで、空を見上げたら
お母さんに会えるような気がして来ました。」
と言って、
わっ、、と泣き伏してしまいました。
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■ こころが開ける
ひとりがこころを「パーン」と開くと、またたく間に連鎖して
皆のこころが開けて行くのです。
そして、開いたときに出てくるのは
「優しい言葉」
なのです。
こころの扉を開けるというのは、日ごろの怨念、うらみ
辛みではないのです。
◆ 自傷行為だったE君
お母さんのことが知らなかったというE君は
自傷行為を繰り返していました。
何回も自殺未遂を繰り返していました。
この日を境にして、自傷行為はキッパリと
止んだとのことです。
◆ 受刑者
少年刑務所の受刑者といえば、犯罪行為を
おこなった少年たちです。
でも、魂が開くと、こんなにもこころ優しい
人たちなんです。
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詳しくは 寮美千子さんの著書をどうぞ:
・空が青いから白をえらんだのです(新潮社)
・世界はもっと美しくなる(新潮文庫)