起床して顔を洗い、自分の長い髪を梳かす







この世界における、軍の大将

梓月の朝はこの作業から始まる







生まれつきの白銀の長い髪が、






窓から差し込む朝日に





少し反射してまぶしい







誰も入ってこない、朝の静かな時間







この時間が、梓月の中では二番目に好きだ
























コン、コン



「はあい 起きてるよ、どうぞ~」



部屋の重たい扉を開け、

小さな使用人が入ってくる



「失礼します おはようございます、梓月様

お着替えはこちらに置いておきます

朝食の用意が整っておりますので、

いつでもどうぞ」



「はいよ~」



使用人は、梓月が今日着る着物を布団の上に置くと、



「ではまた後ほど」



部屋を後にした



「っと、それで今日の予定はなんだっけか…




























うわあああああああああああああああああああ

ああああああああああああああああああ!!!!」



大好きな時間に溺れてた心が、

一気に目を覚ました



「今日は!あのお方に会える日じゃないの!

ひええどうしよう、寝癖とかついてないかな?

着物もっと派手な方が目を引くかな…

って、もうご飯食べ始めないと、間に合わない!」



後でちゃんと着直すから、と

少し荒めに帯を締めてあわてて階段を駆け下りる



「灯霧!お待たせ!いただきますっ」



「あ、慌てて召し上がられると喉に詰まらせてしまいます…」



「んいおーう(だいじょーぶ)!んえうんえう(飲める飲める)!」



「ああ…時間はまだありますから…」



使用人の忠告も聞かず、梓月はぺろりと

朝餉を腹に満たした



そして、いまにも飛び出してしまいそうな勢いで、

使用人、灯霧に聞いた



「で、出発何時だっけ!?」



「午後3時ですが…」








「あと9時間しかない!うわあ、間に合うかなあ」



「間に合わない方が不思議です…」



「ああ、早く会いたいなあ しばらくぶりだものなあ

鴉様にお会いするの…」



梓月は、今日会う者の事をうっとりと

思い出した



「あ、でも今日は他にも殿方がいらっしゃるんだっけ」



「はい、というかむしろ其方の方が本題というか」



「ま、なにはともあれ、私は準備をして来るよ!」



「…後でお手伝いに参ります」



嵐が過ぎ去った部屋に一人取り残された使用人は、

ため息をつきつつ、後片付けを始めた



「鴉様、かあ」












妄想記本編へ続く…
















最近、全然妄想記upしてませんでした…申し訳ない







いつもありがとうございます

長編小説ランキングへ