「征途」1 衰亡の国 | ピョロ口大佐、ぷらり旅・・・って、旅はしてない。

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風景とか花とか、自衛隊とか。。。いい画が撮れたらいいなo(^-^)b

先日、久しぶりに佐藤大輔の本を読みましたが、
無性に「征途」を読みたくなりましたので、古い本入れから引っ張り出してきました。
といっても、3巻目が見つからないので、買わないといけないのかな・・・トホホ
ま、それは、さておき、佐藤大輔の出世作にして、唯一完結した作品であります、
「征途」。自分も、この本を読んで、佐藤大輔ファンになりました。
ちなみに、佐藤大輔は、もともとはシュミレーションゲーム(ウォーゲーム)のゲームデザイナーをしておりました。で、その方面であれば、知る人ぞ知る「タクティクス」って雑誌に、連載も持っていたんですね。ま、かなりの軍事マニア。それと、この人の文体が、とても読みやすい。(尊敬する作家は、司馬遼太郎だそうです)ついでに、かなりのアニメオタク。この「征途」もアニメの小ネタ(それも、自分らにはドストライクな)が、各所にちりばめられており、コレを見つけるのも
楽しみの一つです。
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表紙絵は、高荷義之先生。(この雰囲気だけで、ごはん3杯はいけます)
「レイテに向かう、大和」いいですね。
ストーリーですが、
ちょっと太平洋戦争を知っている人であれば、
レイテ沖海戦(帝国海軍の作戦名:捷一号作戦)での
作戦成功間際の栗田艦隊の反転。誰しもが、あのとき、反転せず
レイテ湾に艦隊が殴り込んでいたら・・・は、夢想した事と思います。
この「征途」は、まさにその夢想が実現していたら、そしてその後の
日本は今とどう違っていたのかを、佐藤大輔の巧みなストーリで描いております。
第一巻は、メインはこのレイテ沖海戦。
作者が施した、歴史の修正箇所は、(といっても、奇天烈兵器やタイムスリップはありません)・・・本当にわずかな、修正点です。
シブヤン海海戦での、被害担当艦(史実では、武蔵)が長門に。
結局、長門は米軍の航空攻撃により撃沈されますが、史実と違い武蔵は健在。
その後のサマール沖海戦(史実でもありましたが)で、大和に突撃していた
米駆逐艦を迎撃した利根の主砲弾が、たまたま水面で跳弾し、大和の第一艦橋を
直撃。第一艦橋にいた栗田提督以下司令部幕僚が全員戦死してしまう事態に。
ただ、コレにより、この小説(1巻目)の主人公である、藤堂明(後部艦橋にいたため助かった)が大和の指揮をとる事になります。
で、結局、司令部を失うも連合艦隊は、当初の作戦通り立ちふさがる米軍をバッタバッタとなぎ倒し(オルデンドルフの旧式戦艦群とか)とうとうレイテ湾にひしめく
米軍の大上陸部隊に殴り込みをかけます。(この海戦で、マッカーサー元帥は戦死)
結果として、米軍は空前絶後の大被害を被るのですが、当然ながら局地戦での一回の
敗北程度で、すでに敗戦濃厚な日本が戦局を挽回できるはずもなく、
ただ、米軍の侵攻スケジュールを数ヶ月程度遅らすしか出来なかったのです。
ただ、このことは、後の歴史に大きな影響を与えていきます。
そうです、ソ連軍の侵攻です。米軍の侵攻が遅れる事で、連合軍はソ連の北海道侵攻を認めざるを得なくなるのです。そして、日本は、分断国家へ・・・・
って所で、2巻へ。
で、この小説のもう一つの主人公、戦艦大和。武蔵がレイテ沖海戦に生き残る事で、菊水作戦には、武蔵が出撃。大和はレイテ海戦での大きな損傷を修理後、侵攻してきたソ連の極東艦隊へ立ち向かうのです。(この内容は2巻で)
主人公は、1巻目が大和の艦長代理そして、菊水作戦時の武蔵艦長をする
藤堂明です。明の子供達、長男 藤堂 守と 次男 藤堂 進。(ここで、ピンときたあなた、相当の好き者です(*^ー゜))。彼らが、2巻以降の主人公となります。
分断国家となった、日本がどういう戦後を歩むのか?気になるでしょ?
面白いんだから( ̄∇ ̄)それに、戦後を生き残る戦艦大和が戦後再編成される
海上自衛隊(北に仮想敵国をもつ分断国家での海自は、現実の海自とは相当違ってきますが)に編入され、近代改装を施され超大型護衛艦として、大活躍する話は
2巻以降で(`∇´ゞ