3.11直後の富士山付近の地震の震源が四角に配置される件の真相 | PygmalionZのブログ

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ある3.11人工地震兵器陰謀論者のサイトで「3.11直後の富士山付近の地震の震源が四角に配置されているのは人工地震である証拠」と言っている件について解説する。

そのショボい陰謀論者の方のブログが以下のURLである。

陰謀論者の方のブログURL http://richardkoshimizu.at.webry.info/201103/article_76.html

この陰謀論者はおそらく科学の知識に乏しく、中高生時代も理科系の科目の成績は良くなかったのだろうとしか思えない。

このブログの震央のプロットに使われたデータのソースは緯度経度の度単位の小数点以下が1桁であることから気象庁のものと推定される。
気象庁の震源の緯度経度の発表は常に度単位の小数点以下が1桁である。
参考までに気象庁の地震情報のページのURLを示す。

 気象庁・地震情報URL http://www.jma.go.jp/jp/quake/

震源を精度良く決定するには詳細な地殻構造モデルと緻密な観測網が必要になる。
しかし現在気象庁発表に用いられる地殻構造モデルと観測網の粗さから度単位の小数点以下が1桁程度の精度しかえられないためである。

一般的に科学技術計算では精度と有効桁数という考え方をする。
例えば長さ30cmで1mm目盛りの物差しを用いて30cm未満の直線の長さを測るとき1~300mmまでが有効な範囲となる。これに目測で0.5mmまで測定精度を拡張すると有効桁数4桁で誤差0,5mmとなる。

ここで物差しを使って長方形の面積を測ってみよう。
ある長方形は物差しで測定の結果以下の値が得られたとする。

 縦 183.5mm × 横 201.0mm

これを面積に直すと36883.5平方mmとなるが、実際の科学技術計算では乗算すると誤差が増幅されるため計算前の値の有効桁数に結果の有効桁数を合わせる作業を行う。
この処理を丸めという。丸めには四捨五入を行うのが一般的で、このケースの場合上4桁が有効数字なので5桁目を四捨五入する。
すると36883.5≒36880平方mm=368.8平方cmということになる。

陰謀論者の方のブログによると震央の緯度経度は以下の通りだそうだ。

静岡東部
35.3 138.7
35.3 138.8
山梨南部
35.4 138.7
35.4 138.8

これはご紹介した有効桁数と丸めの結果で丸め前の計算値は小数点第2位まで求められているが誤差を考慮して丸められている。

では陰謀論者の方の主張は間違っているのか?
その答えは「完全に間違っている」である。
何が間違っているかというと「観測から求められた値が0.1度単の精度しかないのにも関わらず0.1度以上の解像度を持つ地図に重ねあわせた」ということである。
北緯35度辺りでは0.1は東西方向で約9km、南北方向で約11kmとなる。つまり東西9km、南北11キロメートルの分解能のある地図に重ねてはいけないということである。

ブログ中の地図のプロットを見ても明らかに四角の1辺が10km程度であることが読み取れる。
この陰謀論者の方はこうした科学技術計算の常識を知らずに精度の良過ぎる地図に重ねてしまった結果、勘違いをされている。

以上が「3.11直後の富士山付近の地震の震源が四角に配置される件」の真相である。
陰謀論者の方の中でいかにも科学的証拠らしいものを持ち出される方は科学的思考の拙さゆえの誤りをおかしている。

拙い知識で3.11でお亡くなりになられた方々を冒涜するのはお止めいただきたい。