11/15(土)に大阪府東大阪市・生駒山に行きました。

生駒山にはナラガシワを見に、過去にも2回来ています。2020年に歩いたコースは詳細を忘れてしまいましたが、額田駅・枚岡公園から山頂へ歩きました(摂河泉展望コースか?)。ナラガシワは山麓に近い斜面でクヌギ・アベマキと混生しており、標高が上がるとコナラ林になりました。2021年は石切駅から辻子谷コース→生駒縦走コース→くさかコースを歩きました。ナラガシワは谷沿いの林縁や急斜面で見られるものの、クヌギやアラカシに比べると少なかったです。

今回は、枚岡駅→枚岡神社→神津嶽コース→神津嶽ふれあい広場から北東へ→摂河泉展望コース→額田駅を歩きました。
 
枚岡神社裏手の林縁にあったナラガシワの大木。
クヌギ(左)・ナラガシワ(中)・クヌギ(右)。
光を求めて歪な樹形になっているナラガシワ。開けた場所に多いです。
 
枚岡展望台周辺ではナラガシワがアベマキ・クヌギとともに優占種になっていました。
アベマキ(左)・ナラガシワ(右)。
枚岡展望台にあったナラガシワの大木。
枚岡展望台~神津嶽にもナラガシワは多かったです。ナラガシワが多い場所にはコナラが殆どなく、すみわけしているようです。三草山でも同様でした。
 
神津嶽ふれあい広場から南の斜面にもナラガシワが比較的多かったです。神津嶽コースをさらに登ろうか迷いましたが、人工林が多そうだったため、北東へ歩いて摂河泉展望コースへ向かいました。摂河泉展望コースまでの斜面にはナラガシワは少なかったです。
 
摂河泉展望コースを少し下ると、ナラガシワが多くなってきました!
今回歩いたコースの中で一番大きかったナラガシワ。
摂河泉展望コースではナラガシワの生育地点は限られるものの、場所によってはアベマキとともに優占種になっていました。
 
神津嶽コース・摂河泉展望コースの植生は、アベマキ・クヌギ・ナラガシワ・コナラ・オオバコナラ?・アラカシ・クリ・イヌシデ・エノキ・ムクノキ・シロダモ・ヤブニッケイ・ナナミノキ?・クマノミズキなどが見られました。優占種はアベマキ・クヌギですが、クヌギはおそらく植栽だと思います。ナラ類は多い順に、アベマキ・クヌギ・ナラガシワ・コナラでした。土壌は浅かったです。今回歩いたコースは、過去に歩いたコースよりもナラガシワが多く見られ、尾根沿いにも生えていました。意外と遷移は進行していませんでした。
 
採集したナラガシワのどんぐり。全体的には並作でした。
生駒山のどんぐりも西日本特有の樽型の堅果です。堅果は長さ2.4~2.7cmでした。また、生駒山のナラガシワは、葉が愛知川や三草山のものよりも小形でした。
 
大阪市立自然史博物館の展示によると、生駒山地の地質は主に花崗岩や斑糲(はんれい)岩などの深成岩、三草山の地質は花崗岩や閃緑岩などの深成岩でできているそうです。ナラガシワは花崗岩を好むのでしょうか?また、ナラガシワは「大阪周辺では川沿いなどの硬い岩盤が露出した地域に多いが、分布は限られている」「生駒山系の谷沿いに多産する」と書かれていました。
 
また、ナラガシワは大阪府では生駒山と三草山にしか分布がないと何かで読んだ記憶がありますが、高槻や南河内にも分布しているそうです。生駒山地の南側と三草山の東側には柏原という地名がありますが、これはナラガシワに由来するのかもしれません。