静岡県南伊豆町の子浦のウバメガシ群落(県指定天然記念物)を訪ねました。ここを訪ねるのは2016年2月に青野川の河津桜を見に来た時以来です。
今回は子浦日和山遊歩道(子浦~落居口までの約2km)を歩きました。
アクセスは伊豆急下田駅からバスで子浦または落居口下車ですが、本数が少ないです。
子浦海水浴場。水の透明度は高いです。
遊歩道に入るとウバメガシ群落が現れます。子浦のウバメガシは、防風林・魚付林として大切に保護されてきたそうです。ウバメガシは南伊豆町の木に指定されています。
展望所からの眺め。
展望所から見たウバメガシ群落。海沿いの急斜面に群生しています。ウバメガシは房総・三浦半島にも分布しますが、群落を形成するのは伊豆半島以西となります。伊豆半島では南部・西部の沿海地で群落を作りますが、沼津アルプスや下田富士などやや内陸の岩場でも群生します。西伊豆町安良里の浦守神社にも代表的な林があります。城ヶ崎海岸ではウバメガシは見られず、マサキ-トベラ群集でした。トベラ-ウバメガシ群集は、マサキ-トベラ群集より風圧の厳しい土壌堆積の少ない立地に生育するそうです。
岩場に生えるウバメガシ。クロマツ・トベラ・マルバグミなども混生し、強風のため低木状です。
伊豆ではバメ、ゼニガネシバなどと呼ばれます。南伊豆地方では正月三が日の早朝、囲炉裏でウバメガシを燃やす風習があります。バチバチはぜる音が銭金の舞い込む景気の良さを表し、一年の幸運を祈るそうです。
伊豆半島の海岸ではケウバメガシ(葉裏の星状毛が残る品種)が多いです。基本種ウバメガシとはすみわけしているのでしょうか?
高台から妻良湾を一望します。ウバメガシ群落が集中するのは子浦側ですが、日和山方面にも風衝樹形のウバメガシが見られました。
日本海沿岸ではカシワが海岸林を形成するそうですが、私は見たことがありません。太平洋沿岸のウバメガシ林と同じ環境に生育するのでしょうか? 見てみたいです。