野川公園にミズナラに混じって1本だけあるフモトミズナラ。そろそろ、どんぐりも落ちているだろうと思い、見に行きました。
しかし、そこにはいつもとは違う衝撃的な光景が広がっていました。
葉が枯れている!?
根元には木くずが…。そうです。ナラ枯れの被害を受けてしまったのです。ナラ枯れは、本州の日本海側地域を中心に発生していますが、東京で見るのは私は初めてです。
まだ生きている枝もありますが、時間の問題でしょう。
枯死寸前ながらも、どんぐりは落ちていました。今後、枯死・伐採されるものと思われるため、今年で見納めになりそうです。
最後になりそうなので、葉を採取してきました。虫食いの葉が多く、綺麗な葉は殆どありませんでした。
この木は愛知万博が開催されていた2005年、私が初めて発見したフモトミズナラです(当時の呼称は「モンゴリナラ」でした)。当時は図鑑にも掲載がなかった樹種で、私はネットで存在を知りました。愛知万博の会場にモンゴリナラ(当時の呼称)があったのは有名な話ですが、その木が東京にもあるとは思いもしませんでした。意図的に植栽されたというより、ミズナラとの誤植と考えた方が良いでしょう。
その後、フモトミズナラは栃木・群馬・愛知県の自生地で沢山見ましたが、東京では野川公園の個体が私の知る限りでは唯一の存在でした。
以下の写真は、ナラ枯れ防止処置をされた木の姿です。
愛・地球博記念公園(愛知万博跡地)のフモトミズナラは、ナラ枯れ予防のためビニールが巻かれていました。東京ではナラ枯れが殆ど起きていないため、このような対策はされていません。
名古屋市の城山八幡宮のアベマキ(名古屋市内最大のアベマキ)も、このような姿でした。
関東ではこれまで殆ど見なかったナラ枯れ。被害が拡大しないことを祈るばかりです。