今日は天気が良かったので、サイクリングがてら林試の森公園まで行きました。

 

最初に立ち寄ったのは世田谷区赤堤の六所神社。

ここにはウラジロガシが数本あります。

ウラジロガシは東京では高尾山には多いですが、平地では殆ど見ることはありません。

どんぐりも落ちていましたが、12月頃が最盛期でしょうか?旬の時期にもう一度来てみようと思います。

 

続いては林試の森公園(旧林業試験場)。お目当てはハナガガシです。

ここのハナガガシは図鑑やネットにもよく写真が使われていて有名です。最も、ハナガガシは分布域外では林試の森公園と和歌山県植物公園緑化センターくらいにしか植栽されていませんが…。

2013年頃に強剪定されてしまいましたが、ここ5年くらいで大分再生しました。

ここのハナガガシは11月下旬頃にどんぐりが落ちますが、2~3月でも拾えるという話を聞きます。「どんぐり見聞録(山と渓谷社)」では、5~6月でも艶のあるどんぐりが拾えたと記載されています。2本あるうちの1本が11月下旬、もう1本が2~6月にどんぐりが落ちるということなのでしょうか?

私はハナガガシは観察例が少ないのですが、和歌山県植物公園緑化センターと高知市朝倉神社では1月上旬に訪問した時に、艶のあるどんぐりが沢山落ちていました。ハナガガシのどんぐりの落ちる時期はかなり遅いのでしょうか?ご存知の方がいらっしゃいましたら、コメントいただけると嬉しいです。

 

ハナガガシは高い所に枝があるため、葉の採集が困難なのですが、今日は幸運にも枝葉が落ちていました。昨日の強風で落ちたのでしょう。

葉の長さは葉身13cm、葉柄1.5cmです。上半分に鋭い鋸歯があり、裏は緑色です。

私は見たことがありませんが、全縁の個体もあるそうです。

 

ところで、林試の森公園のハナガガシは2本だけだと長年思っていたのですが、2015年に橋の近くでもう1本発見しました。

下の写真は12月に撮影したものです。

「ツクバネガシ」と表記された札がついていますが、樹皮や落ち葉でハナガガシであることに気づきました。

この個体は11月下旬~12月にどんぐりを落としますが、何故か結実率が悪いです。幹が真っ直ぐに伸びるため、遠目にはシラカシやツブラジイに似ています。樹高20mくらいです。

 

林試の森公園の珍しいどんぐりの木は他に、アベマキとレッドオークがあります。アベマキは数が多く、都内最大の採集スポットです。レッドオークは数年前に強剪定されてしまいました。尚、レッドオークは名札が「アメリカガシワ(ピンオーク)」となっています。この公園は珍しい樹木が多数あるのですが、しばしば名札が間違っているのが少し残念です。イチイガシもありますが、結実しません。

 

最後に世田谷区立桜小学校に行きました。桜小学校は第2・第4日曜日(夏休み・冬休み期間を除く)の13~16時に校庭を開放しています。ここには都指定天然記念物のオオアカガシ(アカガシの変種)の大木があります。

樹齢400年、樹高13.5m、幹周3.4mとされています。現在は主幹上部は欠損していますが、解説板が建てられた昭和47年当時は樹高20mあったそうです。

2016年1月撮影のオオアカガシです。樹勢が衰えているようで、3年前に比べると大分葉が少なくなってしまいました。

2016年1月撮影の葉です。基本種のアカガシよりも葉が大きいそうですが、私には違いがよくわかりません。オオアカガシは目黒区大鳥神社にあった個体が標本木となっていますが、その木は2002年に枯死しました。都内では品川区荏原を中心とした限られた範囲に分布するそうですが、詳細な場所は不明です。

校門横に掲示された学校だよりにも、オオアカガシのことが記載されていました。1本しかないためか、結実率が悪いようです。

 

林試の森公園のハナガガシは、今後も定期的に見に行こうと思います。