ナラガシワがあるという奥多摩町日原へ行ってきました。
奥多摩駅からバスで東日原へ向かいます。
まず、訪れたのは日原森林館。奥多摩の巨樹の写真などが展示されています。
ナラガシワの情報が得られるかなと期待して、職員の方に聞いてみたのですが、「聞いたことがない」とのことでした。まぁ、関東ではまず見ない木なので無理もないでしょう。ちなみに、職員の方によると、昨年はブナが豊作で、中身の詰まった実も採集できたそうです。私はブナの実はシイナしか見たことがありません。
ナラガシワの場所がわからないので、巨樹コースという所を歩いてみました。しかし、ここは殆どがスギの植林地帯で、ミズナラが少数ある程度でした。
巨樹コースを抜けて、日原鍾乳洞方面へ向かいます。
鍾乳洞バス停付近の日原渓谷です。大分、紅葉が進んでいます。
橋の近くにはイヌブナがあり、沢山の実が成っていました!
これはラッキーです!イヌブナはブナよりも豊凶の波が激しく、滅多に実を見ることができません。私自身、イヌブナの実を見るのは2回目です。
日原鍾乳洞まで行きましたが、ナラガシワは見つかりませんでした。日原街道を引き返して、倉沢方面に向かいます。
日原周辺マップで「山の神 ナラ」と記載されているミズナラです。名木ではないようですが、かなりの大きさです。どんぐりは流石に遅かったですが、細長くて大きなどんぐりが落ちていました。山に登らなくて良いので、拾いやすいどんぐり採集スポットです。
折角ここまで来たので、東京都指定天然記念物の「倉沢のヒノキ」も見に行きました。
胸高周囲6.3m、樹高34mあり、都内最大のヒノキだそうです。
ちなみに、この先には倉沢集落という廃村があるそうです。なんだか、秘境のような所です。
今回、日原鍾乳洞~川乗橋バス停まで歩きましたが、ナラガシワは見つかりませんでした。日原は非常に広い上に、そもそも現存するのかも不明です。日原はコナラもありましたが、ミズナラの方が優勢でした。イヌブナやクリも見られるので、気候帯としては中間温帯に該当するのでしょう。ナラガシワは暖温帯に生えるようですが、中間温帯でミズナラと混生することはあるのでしょうか?
今回採集したイヌブナの果実です。
3~5年に一度しか成らないという、幻の果実です。その割には地味で、堅果も長さ約1.2cmと小粒です。
ブナも豊凶が激しいですが、シイナであれば毎年見かける気がします。イヌブナはシイナですら見ません。
ナラガシワは見つからなかったものの、イヌブナの実が採集でき、美しい景色も見られたので良かったです。