梅雨入り前最後?の晴天となった今日は、八王子市の小田野中央公園のナラガシワを見に行った。

ナラガシワは東京では非常に数が少なく、レッドデータブック東京でも絶滅危惧ⅠB類に指定されている。

私は同公園のナラガシワ群落は昨年秋に発見したのだが、その時は非常に驚いたものである。

 

小田野中央公園に行く前に、八王子市中央図書館に寄った。

探したのは、「八王子城山及びその付近(旧恩方村)の主な植物(5)(1996年3月)」という資料で、この資料には小田野中央公園のナラガシワのことが記載されている。

資料によると、やはり小田野中央公園のナラガシワは自生であり、かつての雑木林を公園の緑地として残した結果、偶然にも伐採を免れたものであろうと記載されていた。

 

さて、お目当ての小田野中央公園へ。

ナラガシワの葉(この個体はアオナラガシワであった)。

チョウセンコナラ(ナラガシワ×カシワ)と思われる若木も1本ある。小田野中央公園にはカシワはないが、公園北側の民家にカシワがあったため、そこから花粉が飛んできて交雑個体が生まれたのだろうか?葉はカシワにそっくりだが、葉柄が1~2cmほどあった。

この個体は葉が小さいが、オオバコナラ(ナラガシワ×コナラ)なのだろうか?小田野中央公園にはコナラもあったため、可能性はあるかもしれない。

小田野中央公園の樹木には手作りの名札がつけられている。

 

ナラガシワの生育地は石の多い場所で、ケヤキ、エノキ、オニグルミ、イヌザクラなどと混生している。

他にはキササゲ、ヤマグワ、クマノミズキ、ニガキ?なども見られた。

 

小田野中央公園にはハルニレもある。

ハルニレも東京では非常に珍しい木であるが、河畔林を構成する樹種であるため、この木も自生なのだろうか?

 

また、前述の文献で、近くの八王子市美山町でもナラガシワの記録がある旨が記載されていたため行ってみたが、今回は見つけることができなかった。古い記録であったため、現存しないのかもしれない。

 

今回、小田野中央公園のナラガシワが自生であることが判明したが、周囲では全く見られないナラガシワが何故ここにだけ群落を作っているのだろうか?非常に謎である。