東京都目黒区の林試の森公園にハナガガシが植栽されている。
同園は1900年に目黒試験苗圃として設置され、後に林業試験場となった。

1978年に試験場が茨城県つくば市に移転(現・森林総合研究所)、1989年に都立公園として開園したという経緯がある。

林業試験場であっただけに、世界中の珍しい樹木が植栽されていて、園内を歩くのは面白い。

 

ハナガガシは大正時代中期に植栽されたものらしく、樹齢100年前後となっている。

 


私は2006年にこの公園を初めて訪れ、同時にハナガガシも初めて見た。
写真のハナガガシは数年前に大幅に枝を切り落とされてしまったが、剪定前は樹高20mほどあり、枝葉をよく茂らせ、どんぐりも沢山落としていた。
ここのハナガガシは結構有名なようで、図鑑にもよく写真が掲載されている。
ハナガガシは四国・九州の一部に分布するが、この公園のハナガガシはどこから持ち込まれたのだろうか?

 

ハナガガシは東京都林試の森公園の他、和歌山県植物公園緑花センター、大阪府堺市荒山公園(1本のみ)にも植栽されている。

この3箇所にはアラカシも植栽されているので、どんぐりを植えたらチンゼイガシが誕生する可能性もありそうだ。

余談だが、林試の森公園に来る前に近くの円融寺を訪れた。
ツクバネガシがあると聞いて訪ねたのだが、私が見た限り殆どがオオツクバネガシに見えた。
東京では純粋なツクバネガシは意外と見つからないものである。