私が今まで東京でナラガシワだと思っていた木の半分以上?が、コガシワ(コナラとカシワの雑種)であるような気がしてきた。

コガシワと思われる木は高尾山山頂、新宿御苑、光が丘公園、昭和記念公園などにある。

そこで、ナラガシワとコガシワを比較してみたいと思う。

 

まずはナラガシワ。

北の丸公園にて。殻斗の鱗片は短い。

 

続いてコガシワ。

新宿御苑にて。殻斗の鱗片・花柱が長いところにカシワの血を感じる。かつて園内に掲示されていた「新宿御苑どんぐりマップ」にも、この木はナラガシワと記されていた。

昭和記念公園にて。この個体も殻斗の鱗片が長い。

高尾山山頂にて(10年前に撮影したもの)。「群馬直美の木の葉と木の実の美術館」でも、この木はナラガシワとされていた。周辺にはカシワ、コナラも見られる。

 

これらコガシワと思われる木は、葉がナラガシワよりも小形で葉柄が短い、殻斗の鱗片がやや長いという特徴があり、樹皮もカシワまたはコナラに似ていた。

私は長年ナラガシワの個体差の域と思いながらも、違和感を感じていた。そのため、関西で観察したナラガシワと比較すると、東京のナラガシワは見た目が変わってるなぁと思っていた。

 

しかし、そうなると、私が知る限り東京ではナラガシワは小石川植物園、北の丸公園、小田野中央公園にしかないような…?

東京では希少なナラガシワが実はコガシワだったと知った時は衝撃だったが、それと同時にどんぐりの世界は奥が深いなぁと感じてしまった。