今回の八重山諸島の旅では、マングローブ林も観察した。
1日目は西表島の仲間川展望台へ。
日本最大規模のマングローブ林が広がり、まるでアマゾンのようだ。
今回は行かなかったが、2014年に訪問した際には遊覧船でサキシマスオウノキも見に行った。
この木は既存のサキシマスオウノキの中では日本最大と言われる。
板根を張らせた姿は迫力満点だ。
また、先程の仲間川展望台の少し先には国指定天然記念物の「ウブンドルのヤエヤマヤシ群落」がある。
ヤエヤマヤシは石垣島と西表島だけに分布するヤシで、街路樹としても植栽されるが、自生のものは極めて少ない。
石垣島の「米原のヤエヤマヤシ群落」も国の天然記念物になっている。
2日目は西表島の浦内川へ。
本来は石垣港から上原港へ向かう予定であったが、この日は上原航路が欠航だったため、大原港からバスで浦内川へ向かった。
バスに乗って気づいたのだが、西表島には仲間川・浦内川以外にもかなりのマングローブ林があった。
浦内川展望台からの眺め。
ヤエヤマヒルギ。
浦内川河口では殆どがヤエヤマヒルギであった。
昨年行った、沖縄本島の億首川のものよりもずっと数が多い。
ヤエヤマヒルギはタコ足状に伸びる支柱根が特徴的だ。
2013年に訪問した小浜島でもヤエヤマヒルギが多く見られた。
最終日は石垣島の宮良川へ行った。
宮良川のヒルギ林も国指定天然記念物になっている。
石垣島には他にも、吹通川や名蔵アンパルにもマングローブ林があるが、宮良川が最もアクセスが良いのではないだろうか?
宮良川ではヤエヤマヒルギ、オヒルギが多かった。
ヤエヤマヒルギの葉。
オヒルギの葉。胎生種子も沢山ぶら下がっていた。
オヒルギはヤエヤマヒルギのように支柱根は出さないが、地面から膝根(しっこん)と呼ばれる呼吸根を出す。
今回、ヤエヤマヒルギ、オヒルギは多く見られたが、メヒルギは殆ど見られなかった。
メヒルギは八重山諸島では少ないようだ。
今回はメヒルギの写真が撮れなかったが、参考までに過去に撮ったものを載せたいと思う。
沖縄本島・億首川にて。メヒルギは根元が板根となる。
葉はヤエヤマヒルギ、オヒルギよりも小形である。
また、メヒルギは静岡県南伊豆町の青野川河口でも植栽されたものを見ることができる。
これは1959年に静岡県有用植物園が種子島産のメヒルギを導入したところ、根付いて繁殖も確認されたもので、世界最北限のマングローブとされる。
2015年7月に訪れた時には、胎生種子をぶら下げていた。
これには感動してしまった。
今回の旅で感じたのだが、マングローブは島によって見られる種類の割合が随分異なるようだ。
私は2001年に訪れたことがあるが、奄美大島の住用町のマングローブ林もまた見に行ってみたい。