八王子市内では、数か所でオオツクバネガシを見ることができる。
オオツクバネガシはツクバネガシとアカガシの雑種で、同市内の高尾山で発見された。
そのためか、学名はQuercus×takaoyamensisとなっている。
3種の葉の特徴は…
ツクバネガシ:葉は細く、上の方に微かな鋸歯が見られるか全縁。葉柄は短い。葉の側部が裏側に巻き込んだり、ねじれたりすることもある。
アカガシ:葉はツクバネガシより幅広で全縁。葉柄は長い。葉の断面は平らである。
オオツクバネガシ:両者の中間型で、変異に富む。
ここのオオツクバネガシの葉は全縁で大形、側部が裏側に巻き込んだ形の葉である。
左は町田市清水寺で採取したツクバネガシ、右は片倉城跡公園のオオツクバネガシの葉である。
比べてみると随分大きい。
なお、ここのオオツクバネガシは11月下旬頃に行ってもどんぐりが殆ど見つからない。
市指定天然記念物の大木があり、樹齢600年とされている。
幹は空洞になっているが樹勢は良いように見える。
同神社では、この木の他にも数本のオオツクバネガシを見ることができる。
葉は小形だが、上部に鋸歯がある。
ここの木は毎年11月頃に、沢山のどんぐりを落とす。
最後は横山出張所。
同じく市の天然記念物に指定された大木がある。
樹齢200年以上とされるが、やや枯れ枝が目立つのが気掛かりなところ。
葉は小形で側部が裏側に巻き込むタイプ。
解説板ではアカガシに近い形質を持つと書かれているが、あまりそのようには感じなかった。
ここの木も、どんぐりを殆どつけない。
ツクバネガシとオオツクバネガシの区別は非常に難しいが、オオツクバネガシはツクバネガシよりも幅広の葉を持つことが多い。
「オオ」の名がつくが、必ずしも葉が大形というわけではない。
また、一見アカガシのように見えても、鋸歯がある場合があり、このような個体もオオツクバネガシなのではないかと私は思っている。
いずれにしても、オオツクバネガシは変異に富んで面白い。