小金井の中間処理場の敷地内に、チシャノキという非常に珍しい木がある。


【チシャノキとは?】

ムラサキ科チシャノキ属の落葉高木で、本州(中国地方)、四国、九州、沖縄に分布する。

和名は若葉の味がチシャ(レタス)に似ていることに由来するが、樹皮や葉がカキノキに似ていることから、カキノキダマシとも呼ばれる。


中間処理場は、武蔵小金井駅北口から700mほど西へ行ったところにある。

先日、私が訪問した時には花を咲かせていた。



ちなみに、このチシャノキは以前は武蔵小金井駅南口の駐車場にあった。

私は初めてこの木を見た時は、カキノキかな?と思ったが、どこか違うような感じがし、そのうえ掲載されている図鑑もなく、正体がわからなかった。

その後の1998年に「小金井の珍しい木めぐり」というイベントがあり、それに参加した際に初めて名前を知ることができた。

2003年頃から始まった駅前再開発の際には伐採の危機にさらされたが、多くの市民から保存を求める声が寄せられ、2007年3月に現在の場所に移植されたという経緯がある。

移植の際には大幅に枝が切り落とされ無残な姿になったが、萌芽力旺盛であっという間に枝が伸びて元の姿を取り戻した。

生長は非常に早いようである。

武蔵小金井駅南口にあった頃。2006年12月2日撮影。

移植作業中の様子。2007年3月8日撮影。3月4日時点では、まだ南口に原形を留めたままの状態であった。

移植が完了し、葉を出し始めたチシャノキ。2007年5月4日撮影。


また、小平市上水本町4丁目にもチシャノキがある。

残念ながら最近、剪定されたようで花は見られなかったが、大きな葉をつけていて見応えがあった。

葉はカキノキに似ているが、鋸歯があることで見分けられる。

樹皮もぱっと見た感じではカキノキに似ている。


東京では他に、小石川植物園、日比谷公園で見たことがある。


※おまけ

同じ仲間のマルバチシャノキ。

本州(千葉県以西)、四国、九州、沖縄に分布する落葉小高木。

葉はチシャノキよりも大きく、丸い。

マルバチシャノキも東京では少ないが、植物園などに行くと見ることができる。

写真は2015年9月20日、新宿御苑にて撮影。