先日、1泊2日で沖縄本島へ行ったきた。
今回の目的はアマミアラカシなのだが、アマミアラカシ群落のある漢那ヨリアゲの森の近くに、億首川のマングローブというのがあるのを知ったため、先にそちらを訪れることにした。
昨年5月に、沖縄本島最大規模のマングローブ林である慶佐次川(げさしがわ)を訪れたこともあり、億首川はそれに比べれば大したものではないだろう、と初めは高を括っていた。
しかし、実際に訪れてみると中々の規模で、見応えがあった。
億首川ではオヒルギ、メヒルギ、ヤエヤマヒルギの3種が見られるが、殆どがオヒルギ・メヒルギで、ヤエヤマヒルギは河口付近の一角にわずかにあるだけだった。
しかし、遊覧船と違い、じっくりと立ち止まって観察することができるため、種類ごとの違いをしっかりと見ることができた。
まずはヤエヤマヒルギ。
根は支柱根で、たこ足のような樹形になる。
葉は大形であった。
続いてオヒルギ。
根は膝根といい、根元から横走した根の一部が屈曲して地表に出る。
葉は大形だった。
また、胎生種子が木道に落ちていた。
最後にメヒルギ。
根は板根で、葉は小形であった。
写真はオヒルギの群落。
木道に展望デッキが設けられ、マングローブ林を一望することができる。
さて、いよいよ本題の漢那ヨリアゲの森へ。
到着するや否や、早速アマミアラカシが出迎えてくれた。
葉。
図鑑に記載されていたように、葉は縦に二つ折りになっていた。
しかし、低い所の枝やひこばえについている葉は折り目が入っていなかった。
それでも、本土のアラカシに比べると葉は細長い。
どんぐり。
本土のアラカシのどんぐりが小粒で丸いのに対し、アマミアラカシは大粒で細長い。
熟すと写真のように黒くなるが、未熟で青いどんぐりをつけた木もあるなど、まだ落ち始めのようだった。
樹皮。
白い斑模様が入ることが多い。
また、ひこばえを多く出して株立ち状になった木も多かった。
漢那ヨリアゲの森のアマミアラカシ群落は沖縄県内最大規模であり、沖縄本島では開発の影響で現存する群落は少ないという。
また、アマミアラカシは島尻マージという石灰岩地に生え、非石灰岩地(国頭マージ)に生えるオキナワジイやオキナワウラジロガシとは通常混生しない。
…はずなのだが、漢那ヨリアゲの森では非石灰岩地帯も入り混じっており、異なる環境で生育する植物が同時に見ることができるようだ。
そのため、1本だけだが、オキナワウラジロガシもあった。
ここにもあるとは思わなかったため、驚いたが、どんぐりは見つからなかった。
その後、日没までまだ時間があった為、名護市の宇茂佐公園へ向かった。
ここにもアマミアラカシがあるのだが、どんぐりは1個しか見つからなかった。
公園横を流れる川にはメヒルギが生えていた。
暗くなってきたため、1日目の行動はこれで終了。
名護のホテルへ向かった。
それにしても、沖縄は日没が東京に比べ、ずっと遅い。
この時期、東京では17:00にもなれば真っ暗だが、沖縄では17:30頃まで明るく、行動できた。
2日目はオキナワウラジロガシを探しにやんばるの方へ向かった。
それについてはまた別の記事として書きたいと思う。