※全くまとまりがありません。
サンフレッチェのエース佐藤寿人が、来季から闘いの場を名古屋グランパスへ移すことになりました。
公式発表があってから、何か書こうと思いました。けれど何もまとまらないまま、時間だけが過ぎました。
今もやはり気持ちの整理はつかなくて、でも不思議と落ち着いていて、こんな感覚は初めてです。
広島在籍12年。
私はそのすべてを見て来たわけではない。
だけどその大半は見て来たし、寿人への想いは人一倍強い自負はある。
私は11番以外のユニホームに袖を通したことはないし、今後も通す気はない。少なくとも寿人が引退するまでは絶対に。
自室にはユニホーム、パネル、ポストカード等々、寿人グッズが並んでいる。
私にとって寿人は、サッカーのすべてなんだ。
私が初めて寿人に出会ったとき、すでに広島のエースだった。
ウェズレイと遊ぶようにプレーする姿は、私にサッカーの楽しさを教えてくれた。
9、10、11の最強トライアングルは本当に面白くて、大好きだった。
いつもサポーターを大切にしてくれた。
苦しいときは必ずチームを救ってくれた。
仲間と別れなければならない悲しみも、勝利の喜びも、降格の苦しみも、タイトルを逃した悔しさも、優勝の誉れも、共に分かち合ってきた。
どんなときも共に闘ってきた。
いつもどんなときも佐藤寿人は広島のエースだった。
それは決して、消えない。
色褪せることもない。
これからも、広島のエースは佐藤寿人だ。
寿人は引退まで、そしてその先も、ずっと広島にいると思ってた。思っていたかった。
そんなの無理だとわかりながらも、引退するその日までスタメンで、広島のエースで居続けると信じて疑わなかった。
引退まで二桁得点は続くと思っていた。
それが今季、あっさりと崩れ去った。
移籍の噂が出た時、ずっと広島にいてほしい。素直にそう思えなかった。その状況が、何よりも耐え難かった。
私は寿人が好きだけど、
ベンチにいる寿人が見たいわけじゃない。
寿人のあんな顔が見たいわけじゃない。
ピッチで輝いている姿が見たい。
いつでも心から笑っていてほしい。
だったら、広島を離れた方がいいのかもしれない。
そういう想いは正直、今季ずっと存在した。
それを口にできなかったのは、やっぱり名実ともに広島のエースでいてほしかったから。
広島を離れないでほしかったから。
またスタメンとして君臨する時が来ることを信じていたから。
サンフレッチェの佐藤寿人が大好きだから。
記者会見で寿人の口から出た言葉は、広島への想いと、選手としての想いと、大きな葛藤があって、悩み苦しんだことが誰でも容易に想像できるものばかりだった。
これからも佐藤寿人という選手を応援してくれたら嬉しい。でも自分よりも、サンフレッチェという素晴らしいクラブを、そこで伸び悩んでいる若手たちを応援してほしい。
寿人は熱く、そう語った。それはきっと寿人の本音。そう、思った。
自分の移籍会見。そんな時までフォアザチーム。それが佐藤寿人なんだ。
だから私は寿人が好きなんだ。
だからこんなにもみんなから愛されるんだ。
申し訳ない。
寿人は何度もそう言ったけど、寿人が謝る必要なんてないんだよ。
謝るのはこちらの方だ。
今季苦しんでいることをわかっていたのに、力になれなくてごめん。
今まで色々なものを背負って、チームを牽引して、若手を育てて、優勝して、本当にチームに貢献してくれたのに、サンフレをここまでのクラブにしてくれたのに、何も返せなくて、ごめん。
どこで、何をしていても、寿人のことを応援する。それはきっと一生変わらない。
でも寿人が広島からいなくなる。それがどういうことなのか、想像がつかない。
正直、来年サンフレを応援できる自信がない。
毎年買ってたユニホームはもう買う理由がない。
来年吉田に行っても寿人はいない。
君の瞳に恋してるを来年はもう歌えない。
ぜんぜん、信じられないよ。
来年サンフレの誰を応援したらいい?
チームが苦しい時、誰にゴールを期待したらいい?
そんなことも、わからないよ。
ただひとつ、決めたこと。
来年、必ず名古屋へ行きます。
そして来月必ず吉田へ行きます。寿人と浩司に会いに。
広島でスタメンで出場し続けて、広島でやり切って、広島で引退するのが、寿人にとっても、サポーターにとっても、広島にとっても、一番よかった。
そして寿人が言う通り、来年結果を出さなければ「広島で引退すればよかった」そう言われることは目に見えている。
ガヤはどうでもいいけど、寿人が小馬鹿にされるのは我慢ならないから。
まあ心配はしてないよ。
サンフレの監督とフロントはアホだなと言われるくらい活躍して、得点王になるんだよね。名古屋サポーターもすぐに虜にして、大人気になるんだ。
それで私はちょっと嫉妬して、でもやっぱりそんな寿人が大好きなんだ。
だってそれが寿人だから。
寿人はまだまだやれる。
そんなの知ってるよ。誰よりも。
だから、寿人にはまだ働いてもらわなきゃ。
まだ大仕事が残っているんだ。
寿人と浩司と共にいられる最後の天皇杯。
二人と共に必ず、決勝の舞台へ。
そして最後くらい、優勝しよう。
4つ目の誇りを持って、次へ進んでほしい。
それがせめてもの恩返し。