震災がれき 九州3県受け入れゼロ
東日本大震災の被災地のがれきなど災害廃棄物の受け入れについて、九州7県では熊本、宮崎、鹿児島の3県が環境省に対し、受け入れを検討する市町村や一部事務組合はないと回答したことが21日分かった。焼却灰から放射性セシウムが検出され、肉牛の稲わら汚染が発覚したことで不安が広がり、春の調査で「処理可能」と答えていた自治体が相次いで方針転換したとみられる。
環境省が4月に都道府県に行った調査では、九州全7県の約50自治体・事務組合などが「処理可能」と回答していた。環境省は今月上旬に再調査を依頼。21日が回答期限で、福岡、佐賀、長崎、大分の4県は取材に対し「環境省より先に公表できない」などと結果を明らかにしなかった。
ただ、19日には「年間で最大18万トン受け入れ可能」と4月に表明していた福岡市が受け入れ拒否を県に報告。「安全性が保証できない」との理由だ。がれき受け入れなどの被災地支援策を市議会で議決した福岡県豊前市も、隣接2町とつくる一部事務組合が「住民の理解が得られない」と調査に白紙で回答した。
14日に調査の依頼を受けた長崎市も「放射性物質について専門家の見解はさまざまで、短期間での判断は難しい」と回答を見送った。これまでに「(放射線の怖さを知る)被爆地なのに受け入れるのか」など批判のメールや電話が70件ほど寄せられたという。環境省は「一日も早い復興のために災害廃棄物の広域処理は必要だ。受け入れを検討してもらえるよう今後も呼び掛けたい」という。
=2011/10/22付 西日本新聞朝刊=
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/269605
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