世襲議員(首相)と世襲象徴天皇制の関係
| -自民党総裁選を通して考える
└──── 天野恵一(市民の意見・30の会編集委員、
ピープルズ・プラン研究所運営委員)
○岸田文雄の後任を決める自民党総裁選、この「統一教会」(カル
と「裏金」にまみれた政権政党の総裁(首相)が誰におちつこうが
どんな希望も見えない「選挙」。それでもマスコミは重大事とばか
に、大騒ぎ。本当にウンザリであった。出馬がなんと8人であった
選挙は、9月27日に世襲議員石破茂におちついた(岸田世襲首相
石破世襲首相へのリレーである)。
ただ、9月11日の『東京新聞』「こちら特報部」のコーナーの「
総裁選挙 目立つ世襲--『特権』漬かって政治改革できる?」には注目した
「12日の告示に向けて活気づく自民党総裁選。ただ顔ぶれをみれ
『小選挙区で当選し続けた議員は、その選挙区の「殿」になる。そ
○この世襲政治の毒が回った体制を「2015年体制」と金子勝は
「『2015年体制』とは、裏金による地方政治支配を基盤にし、
政治家でも国会議員として生き残れる仕組を作り上げる必要性から
「『世襲』というのは、公正な選択基準はなく家柄とか縁故という『私的』な基準なので、公的立場にありながら周囲では極めて『私
人間関係が形成される。それゆえ民主主義という政治原理とは相反
2014年~15年以来、内閣人事局で忖度官僚だらけにし、放送
/さらに行けば、自分のご機嫌をとる者をひいきにし、主として金
まだまだ紹介したいがそれでは私の論ずべきメイン・テーマに行き
○私のここで論ずべきテーマは、象徴天皇制すなわち「世襲国家」
世襲議員だらけという負の制度への批判は、マスコミでも話題にさ
さて、戦後の日本国憲法の第二条には、このように書かれている。
「皇位は、世襲のものであって、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する」
「日本国の象徴であり国民統合の象徴」と第一条で規定している国
「象徴天皇」は「世襲」されなければならないと憲法が想定してい
のである。この憲法が〈世襲原理〉をうたいあげているという大問
ストレートに緻密かつ批判的に切り込んだ憲法学者(学説)は、ほ
○その例外的な主張を、ここで一つ紹介する。
奥平康弘は、新書での対談でこう主張している。
「つまり簡単にいうと、問題の核心に世襲制と象徴という一般市民
世襲制と象徴というある意味で厄介なものが成り立つ天皇制という
上にいる憧れであると。憧れであるためにはいろんな装置が必要な
この変な制度を……」
(『憲法対話』、平凡社新書、2000年)
この非合理で差別的な「世襲」象徴天皇制(国家)には自民党の「世襲政治」こそがふさわしい。
この点こそが私たちが、今こそ批判的に考え抜かなければならない大問題なのではないか!
(スペース21 2024年10月号より許可を受けて転載)
たんぽぽ舎です。【TMM:No5108】地震と原発事故情報-5つの情報をお知らせします