今こそ「原発依存社会」への暴走を止める市民運動の大高
10/27衆議院選挙の結果を受けて
【声明】2024年10月31日
老朽原発うごかすな!実行委員会
◎ 立憲民主党の代表選(9月23日)、自民党の総裁選(9月27日
ら衆議院選挙(10月27日)にかけての「原発に関する主張」か
党とも、雪崩を打って原発容認、推進に向かって変節したと言えま
立憲民主党は綱領で「原発ゼロ」を掲げていますが、4人の代表候
者は、積極的な脱原発の主張を避けました。何れもが「避難計画の
備」などを指摘したものの、当面の原発稼働を容認しています。国
主党に配慮したためとの報道もあります。
◎ 自民党の総裁候補者の内、総裁・首相に選出された石破氏は、8月
28日の総裁選出馬時には、「原発をゼロに近付けていく」と表明
ら、首相になってからは、ほぼ岸田政権のエネルギー政策を踏襲し
「原発依存社会」に向かおうとしています。
経団連や経済同友会の主張に迎合・屈服しようとしています。
人の命や生活の犠牲の上に、電力会社、原発産業、ゼネコンなどの
企業に税金と電力料金を垂れ流すための政策です。河野、小泉両氏
つい最近まで、原発に関しては慎重派でしたが、総裁選では、これ
棄しました。自らの立場の擁護のために平気で主張を翻すことは、
として失格です。
◎ 日本維新の会、国民民主党は、元来原発推進です。維新は「次世代
原発、とくに核融合発電を推進する」としています。労使協調路線
国電力関連産業労働組合総連合(電力総連)を支持母体とする国民
党は「原発の建て替え・新増設により、輸入に頼らない安定的なエ
ギーを確保する」とする原発推進の最先鋒です。
◎ このように、立民、自民の変貌、維新、国民民主の原発推進は目に
余りますが、彼らがいかに変貌し、何を願望しようとも、選挙の都
政治的思惑、経済的利益で原発の老朽化を防ぐ技術、安全性を高め
術、使用済み核燃料の処理・処分技術が急に向上することはありま
彼らが原発推進に暴走すればするほど、原発過酷事故の確率は拡大
ます。許してはなりません。
◎ そもそも、政府や電力会社の「原発依存社会」への暴走は、脱原発
の流れに乗り遅れた失敗を取り繕うためです(その裏には、潜在的
武装推進への願望も見え隠れします)。
もし、東電福島第一原発事故以降の政権や電力会社が事故の教訓を
かして、原発ときっぱり決別し、自然エネルギーに切り替える政策
とっていたなら、今頃、化石燃料発電や、原発に依存することなく
気を供給し、世界の自然エネルギーへの流れをリードできていたで
彼らは、資本主義経済の視点からも失敗したのです。自らの失敗を
省せず、更なる原発推進へと暴走する政府と電力会社を厳しく糾弾
自然エネルギーへの政策転換を求めましょう!
◎ ところで、10月27日投開票の衆院選では、自民・公明・石破政
大幅後退し、立民、国民民主、れいわ新選組などが躍進しました。
衆院選での自民・公明両党の大幅減は悦ばしいことながら、この選
での大きな争点が「裏金問題」であり、その裏で進められる物価高
インフレ、弱者切り捨て、格差拡大、軍拡、原発依存などの政策が
とんど議論の対象にならなかったことに政治の貧困を覚えます。
◎ 原発問題でも、大勝した立民が、政権獲得のために、議席を伸ばし
た国民民主に忖度して、原発政策を「原発容認」に大きくシフトさ
可能性があります。
また、「原発(とくに核融合)推進」を掲げる維新は議席を減らし
ものの、それでも政権の行方の狭間にあり、自公、立民の何れもが
れに擦り寄ると思われます。
原発推進政党を抱きこむことによって、当面の政権を維持すると予
される石破自民党が、「原発推進」にさらに暴走する可能性は大で
◎ とくに、政権の行方にキャスティングボートを握る国民民主は、自
民・公明政権との「部分連合」を通して、原発推進を先導するもの
えられます。
なお、「原発即時廃止、地方分散型再エネ普及」を掲げる「れいわ
は躍進したものの、「原発はすみやかににゼロ」「30年度に石炭
ロ」とした共産党は減少しています。社会の右傾化が危ぶまれます
今回の衆院選の争点は「金権問題」でしたが、それを「裏金」だけ
矮小化させてはなりません。
◎ もっと大きな「金権」は、人々から吸い上げた税金や電力料金を、
軍需産業や原発産業(旧財閥、電力会社、ゼネコン、自動車産業な
に垂れ流し、軍備拡大、原発推進に暴走する政府の「権力」です。
現政府は、人々の命と生活を守るために使用されるべき税金を大企
に垂れ流す「トンネル機関」といっても過言ではありません。
このような理不尽がまかり通り、閉塞感漂う状態の打開のために、
ま最も求められているのは「目に見え、耳に聞こえる市民の行動」
揚です。
12.8「とめよう!原発依存社会への暴走関電包囲大集会」の大
勝ち取り、原発のない、人の命と尊厳が大切にされる社会に向かっ
前進しましょう!
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.稼働中原発は11基…女川2,大飯3、4、高浜1、2、
2024年10月30日現在の原発稼働状況
山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)
電力会社 号機 状態 運転開始日 停止日 出力(万kW)
東北電力 女川2 運転中 2024.10.29 82.5
関西電力 美浜3 停止中 2024.10.15 82.6
大飯3 運転中 2024.04.07 118
大飯4 運転中 2023.10.27 118
高浜1 運転中 2024.08.28 82.6
高浜2 運転中 2023.09.16 82.6
高浜3 運転中 2023.12.25 87
高浜4 運転中 2024.04.24 87
四国電力 伊方3 運転中 2024.10.18 89
九州電力 玄海3 運転中 2024.02.02 118
玄海4 運転中 2024.06.03 118
川内1 運転中 2024.08.29 89
川内2 定検中 2024.09.14 89
合 計 13基中 運転中11基 停止中2基 1071.7/1243.3
*美浜3は10月7日に冷却用配管のうち海水系統で漏れがあるこ
確認されたため原子炉を停止し調査することになった。
*10月29日、女川原発2号機は震災で被災した原発としては初
稼働を強行した。防潮堤の最高点29mは、全原発の最高点。巨大
波が来ることを想定している地点の被災原発を動かすのはなぜか。
震災で壊滅的な被害を受けた女川町は再び原発の脅威と自然災害の
脅威にさらされることになる。
*運転開始日は営業運転開始の日なので原子炉起動の日とは一月程
違いがある。
*運転可能な13基の原発のうち稼働中は11基(85%)、
その出力は1243.3万kWに対して1071.7万kW(86
◆地震と原発事故で屋内退避が困難…複合災害対策も提案を、
原子力規制委員会で新委員(山岡耕春氏)が意見
原子力規制委員会は10月31日の定例会合で、原発事故時の屋内
検討チームの中間まとめは、地震による家屋倒壊などで屋内退避が
会合では規制委事務局の原子力規制庁が、3日間を目安に屋内退避
これに対し、山岡氏は「『地震や津波の対策はこうあるべきだ』と
規制委はこれまで「自然災害の防災は(規制委の)範疇(はんちゅ
(11月1日「新潟日報デジタルプラス」より抜粋)
https://www.47news.jp/11709064