複合災害時 実効性に疑問 複合災害時 実効性
「避難」へ切り替え国判断
原発事故時に住民の被ばくを低減させる屋内退避のあり方を議論し
きた原子力規制委員会の検討チームは18日、中間の取りまとめを
た。地震などでライフラインが止まり自宅にとどまれない場合は、
避難の指示を出すとした。だが、国の判断の基になる情報の提供は
自治体任せ。自治体側からは地震などとの複合災害時に国への情報
スムーズにいくのか不安も聞かれ、実効性を疑問視する声も出てい
この日の会合で案が示され、了承された。今後、屋内退避の対象に
なる原発5~30キロ圏内の自治体に意見を聞くなどして、本年度
に最終報告を示す。
まとめによると、自宅などで屋内退避を続ける期間は3日間を目安
とし、水や食料が供給できれば、それ以降も継続する場合があると
した。国や自治体が防災基本計画で、最低3日間の備蓄をするよう
住民に求めていることを根拠とした。(中略)
屋内退避の解除時期は、炉心の状況が把握でき、事故対策がうまく
いっている上、放射性物質の滞留がなくなった時などとした。東京
福島第1原発事故のような深刻なレベルの事故の場合は、屋内退避
はなく、避難に切り替わるとみられる。
1月の能登半島地震などを受け、屋内退避の運用を明確化するよう
求める声があり、規制委に検討チームが設置された。4月から計6
会合が開かれた。
大地震などで建物が倒壊し、ライフラインが止まれば、自宅や近隣
避難所での屋内退避が難しいことは、今年1月の能登半島地震でも
になった。規制委の検討チームが18日に示した中間まとめは、こ
場合には屋内退避から避難指示に切り替えることを明確にしたが、
を残した。
「屋内退避は前提だが、できない時にそう言うつもりはない。命を
ることを優先にしている。具体的に、誰がどうするのかを示したの
初めてだ」
中間まとめについて、規制委事務局の原子力規制庁の担当者はそう
説明する。(中略)
中間まとめでは、避難への切り替えについて、放射線量だけではな
食料の供給や電気、ガス、上下水道などの状況も勘案することとし
自治体やインフラ事業者から情報を受けて、国が総合的に判断する
にした。
ただ、国への情報提供を担う自治体からは不安が漏れる。福井県敦
市の担当者は9月の会合で「住民の状況を確認する自治体の体制に
がある。現場に直接確認にいくのか、電話で確認なのか」と疑問視
その上で「複合災害が起きると、自治体職員が避難所運営の対応に
る中で、圧倒的なマンパワー不足になる」と実情を訴えた。 (中略)
検討チームは本年度内に最終まとめを出す予定で、より実効性の高
運用計画の検討が求められている。
(10月19日東京新聞朝刊2面「核心」より抜粋)
※Webの見出し: 原発事故時の「屋内退避」に実効性はあるのか?
原子力規制委員会の案に自治体からは不安とハテナが続々
◆伊方原発 定期検査中の3号機原子炉再起動 18日発電再開へ
定期検査中の伊方原子力発電所3号機は、装置の不具合で原子炉を
停止していましたが、16日に原子炉を再起動し、18日に発電を
見通しです。3号機はことし12月で運転開始から30年を迎えま
力規制委員会は16日、その後も運転を続ける四国電力の申請を認
しました。
定期検査中の伊方原発3号機は先月、発電を再開するため、停止し
いた原子炉を起動させましたが、今月に入って原子炉内の中性子を
する装置に不具合が見つかり、再び原子炉を停止していました。
その後、必要な改修が終わり、16日正午、核燃料の間から制御棒
抜く操作を開始し、原子炉を再起動しました。
すでに核分裂反応が連続する臨界の状態に達していて、作業が順調
進めば、18日に発電と送電を開始し、その後、徐々に出力を上げ
ら最終的な検査などを行い、来月中旬に営業運転を再開する見通し
原子炉を停止したトラブルの影響で、営業運転の再開は当初の予定
3週間程度、遅れることとなりました。
伊方原発3号機はことし12月で運転開始から30年を迎えますが
電力は、その後も運転を続けるのに必要な管理計画を去年11月に
規制委員会に提出していて、16日、この申請が認可されました。
四国電力は、「さらなる安全性・信頼性向上に向けて不断の努力を
重ね、一層の安全確保に万全を期してまいります」としています。
(10月16日 NHKニュース愛媛 18時44分配信)
◆福島第1原発のデブリ採取計画 2台のカメラ交換終わる
故障原因は高い放射線による帯電か
東京電力福島第1原発2号機で溶け落ちた核燃料(デブリ)の微量
採取計画で、カメラ2台の故障で映像が届かなくなり採取が中断し
で、東電は18日、2台の交換を終えたと明らかにした。東電によ
カメラ交換に使った設備の撤去などに10日間ほどかかるため、採
再開はその後になる。
故障したのは、釣りざお式の採取装置の釣りざおに当たるアームの
先端と、釣り針に当たるデブリをつかみ取る器具の先端に取り付け
カメラ。アーム先端のカメラは17日に交換を完了し、器具先端は
終えた。
カメラの故障原因は、作業途中で電源を切ったため、高い放射線で
帯電した可能性があるとしており、今後は電源を切らないようにす
している。
採取は9月10日に着手し、格納容器に装置を入れたが、作業を休
翌日の同17日にカメラの電源を入れたところ、映像が届かなかっ
電源を入り切りするなど復旧を試みたがうまくいかず、交換するこ
(10月18日東京新聞 21時55分配信)