原発と「民主主義」
| 「東北はまだ植民地だったのか…」
| 「原発は民主主義のないところにやってくる」
└──── 渡辺マリ(たんぽぽ舎ボランティア)
〇「東北はまだ植民地だったのか…」
(赤坂憲雄 民俗学者・福島県立博物館元館長)
戦前の東北:男は兵隊、女は女郎、百姓は米を貢ぎ物として差し
出した。
戦後の東北:東京に電気やエネルギー、安い労働力を供出してきた
「都会で使う電気のために、なぜ、私たちの村(町)に建てるのか
原発の本質を突いた疑問だ
なぜ? 原発が危険極まりないものだということを彼らは知っていた
からだ。
過疎・財政難に苦しむ地方につけ込み、カネをばらまいて押し付け
そして都会は大量の電気を消費し繁栄を享受する。
まさに東北は「植民地」。
〇 東電福島第一原発人災事故
思い出そう、「原発さえなければ」と書き遺して自死した男性を
思い出そう、一時帰宅した家でガソリンをかぶって焼身自殺した女
牛が草を食み、子どもは犬と走り回り、大人は働く
先祖が作り上げてきた美田を守り、大地に根差して人々は生きてき
伝えられてきた四季折々の行事、欠かす事のできない墓参。
泣いたり笑ったり、時には喧嘩をしたかもしれない、それもまた大
な思い出。
そして、心豊かな生活を求めて移住してきた人たち。
「帰りたい」その言葉に込められた思い。
それはただ単に「住み慣れたふるさとに帰りたい」という事だけで
ないのだろうと思う。
その全てを奪ったのが東京電力だ。
〇 原発は差別の象徴
ウラン採掘から運転、廃炉、使用済み核燃料処分に至るまで、核の
工程で環境を汚染し、人、生きものの命を蝕む。
小出裕章氏:「原子力に反対しているのは単に危険だからではあり
せん。原子力は徹頭徹尾、無条件で犠牲を他者にしわ寄せするから
通常運転中の原発労働も、そして今行われているフクシマの「事故
理」作業も、その殆どは被ばくを余儀なくされる下請け・孫請け・
請けの労働者が担っている。
そして法令で決まっている被ばく量を超えれば解雇。即ち使い捨て
思い出そう、3・11の事故収束に携わった作業員の被ばく限度を
れまでの100ミリシーベルトから250ミリシーベルトに引き上
ことを。→ まさに差別構造
〇 牛、馬、鶏、小さな生き物を殺し、自然を破壊した。
そして人々の命と健康を蝕み続ける。
「自分もいつか放射能のために病気になるかもしれない」という恐
日本中に散り散りになり、その上、家族離散という最悪の悲劇に
会った人たち。
中には新しく生活再建を築いた人たちがいるかもしれない。
けれど多くの人たちにとって13年半経っても「福島は終わってい
い」し、新たな困難、苦悩の中にいる。
しかも2022年の最高裁6・17判決だ。
〇 柏崎刈羽原発の再稼働をめざす犯罪企業・東京電力
柏崎刈羽原発を動かせば1基当たり年1100億円の利益の押上げ
とされる(6月5日・朝日新聞)。
謝罪もせず、過失も認めず経済優先 → カネ、カネ
ALPS処理汚染水を福島漁民との約束を破って世界共有の海へ棄
後は野となれ山となれ)、
柏崎刈羽原発の使用済み核燃料は、むつ市の中間貯蔵施設へ搬入。
またもや「東北」か!
後押しするのは国・経産省。
ウハウハ笑っているのは誰だ?
〇 この国を「民主主義国家」と言えるか?
「原