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「滑走路への進入許可受けた」と海保機長 管制との交信には記録なし 主張に食い違い(2024年1月3日)
放送型自動従属監視
放送型自動従属監視(ほうそうがたじどうじゅうぞくかんし 英語:Automatic Dependent Surveillance–Broadcast, ADS–B)は、航空機が衛星測位システム(GNSS)を使用し自らの位置を特定し、その機位を定期的に送信することで追跡を可能とする監視技術となり、主に航空交通管制で使用される。
衛星測位システムを使用し自ら定期的に位置情報を地上受信機に対して送信を行うため、従来のレーダーシステムよりも広範囲での状況が確認できる上に精度も高く、従来の二次監視レーダーで使用される地上からの問い合わせ信号(トランスポンダ)も不要となる。航空機同士が相互に位置情報を交わすことで個別に状況判断を行うことも可能となり、操縦士の入力を必要としない完全自動式となる。また、航空機の正確な位置が把握できることから[1]、従来の方式よりも航空機同士の間隔を詰める指示を管制官が出せるため、混雑した空域や空港などでより多くの交通量を捌けることに繋がり、進入や着陸に対する許可を待つ時間が短縮されることから燃料消費量の削減や大気汚染の軽減も見込まれている。
管制官が視認している周囲の交通状況と全く同様の情報が航空機側でも共有できる上、地形や悪天候による一時的な飛行制限情報も受け取ることが可能となるほか、夜間や雨天でも位置情報が正確であるため、地上ではADS–Bを装備した地上車両などを含め正確に位置を把握することが可能となる。
航空路では航法援助施設の代わりに使用することで目的地へ直線的に飛行することが可能となり燃料と時間の節約に繋がるため、ユナイテッド・パーセル・サービスでは100機の機体に自主的に導入が行われている。ADS–Bではレーダーで起こるクラッター(英語版)が発生せず、設置に関してもレーダーに比べ場所も占有せず簡単であることから導入が進んでおり、地上局は2007年からITTによって設置が行われており、ITTとのサブスクリプション契約を交わすことで利用可能となっている。
事故原因
事故の発生時を示した図面
事故原因は2024年6月24日現在も調査中だが、以下のことが判明している。
事故当日夜、みずなぎ1号の機長は海上保安庁に対し離陸の許可を得た上で滑走路に進入したと説明したが、事故翌日に公表された両機と管制塔との交信記録によれば、事故前に海上保安庁側に滑走路に入る直前の停止位置までの進行指示が発出され、海上保安庁側も復唱していたものの、滑走路への進入許可は発出されていなかった。JAL機は着陸に際して、みずなぎ1号を視認できておらず、みずなぎ1号が停止位置を誤ったか、「ナンバー1」というJAL機着陸後の離陸順の指示を離陸の許可を得たものと勘違いした可能性がある。一方、JAL機は17時43分に滑走路への進入指示を受けていた。その後、着陸許可も出された。
この事故の直接の原因は、みずなぎ1号が許可なく滑走路に進入したことだが、何故管制官の指示を誤解して進入したのか、また、516便の着陸が迫っていることに気付かなかったのか、何故管制官はみずなぎ1号が滑走路に誤って進入したことに気付かなかったのか、何故516便運航乗務員が滑走路上に他機が居ることを発見できなかったかも問われる。
対応
東京国際空港
東京国際空港の滑走路は18時ごろまでに全て閉鎖され、消防車100台以上の体制で消火活動が行われた。海上保安庁は巡視艇や特殊救難隊を出動させたほか、東京消防庁では総勢115隊が出動した。また、DMATも派遣された。滑走路の閉鎖は、21時30分頃に事故のあったC滑走路を除いて解除された。
郵便・物流への影響
日本郵便と佐川急便は、事故の影響で羽田空港の発着便が欠航したことにより、郵便物や宅配便の配達に遅延が生じていることを明らかにした。なお、事故機に郵便や航空貨物の搭載はなかった。
放送の対応
NHKは前日発生した能登半島地震に伴い災害対策基本法第2条第6号及び気象業務法第15条第6項に基づく非常報道体制が敷かれていたところ、17時58分に羽田空港で火災が生じていることを中継映像とともに報じ、以後、能登半島地震関連の情報と、羽田空港の衝突事故について随時報道した。
身体障害者補助犬については、身体障害者補助犬法第8条の定めにより機内への同伴が認められており、緊急時には状況が許せば脱出させることができる。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
つづく