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「弁論に不出頭」で敗訴→実際は期日伝えず 高裁が差し戻し
マンションの管理費を巡る民事裁判の控訴審判決で、大阪高裁(黒野功久裁判長)は30日、手続きに問題があったとして一審・神戸地裁判決を取り消し、審理を地裁に差し戻した。被告に期日を伝えないまま、判決を言い渡していたという。
神戸市のマンションの管理組合が昨年7月、区分所有者の1人に滞納した管理費などの支払いを求めた裁判。第1回口頭弁論に出頭しなかった被告に対し、地裁は第2回の期日を伝えずに弁論を開き、審理を終えた。判決期日も被告に連絡せず、昨年11月、「弁論期日に出頭しなかった」として原告勝訴とした。
これに対し、原告側が「地裁判決には重大な違法がある」と控訴した。30日の高裁判決は「訴訟に関与する機会が与えられないまま判決が言い渡された」と違法性を認めた。勝訴した原告による控訴の是非については、訴訟の根幹に関わる重大な違法で、再審理由ともなりうるとして「控訴できる」と判断した。(山本逸生)
朝日新聞社