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「死刑執行を担うなら辞職」元刑務官が語る「究極の刑罰」殺人犯は最後にたばこを吸った

 だが、執行には失敗の可能性がある。仮に頭部が体から離れてしまえば「斬首」。これは「残虐な刑」に該当して憲法違反だ。元刑務官へのインタビューを収録したノンフィクション作家の著書「死刑執行人の苦悩」には、真偽は不明だが「死に至らず柔道技で絞め殺した」との趣旨の証言が残る。実際に何が起きているのか、外部からのチェックが全く働いていない現状には大きな問題がある。  死刑を決めることとは別に「誰が殺すのか」という現実も突き詰めて考えなければならない。執行するのは、職務内容を拒否できる権利が制約された国家公務員の刑務官。しかも、人事院規則からは「副看守長以下」の低い階級の職員が死刑を執行するとも読み取れる。  刑務官の職務倫理は受刑者を更生させることにあるが、死刑は立ち直りを想定していない刑罰だ。まっとうな倫理観を備えた刑務官であればあるほど、ダメージを受けてしまう。受刑者の矯正教育が重視される中、決定的な矛盾がある。刑務官が執行を担う必然性はない。 (談)