宇宙に送られる「クマムシ」 人体の旅行を遺伝子レベルで解明
過去に無事帰還、どんな過酷な環境でも死ぬことない最強生物
「警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識」その534
島村英紀(地球物理学者)
月や火星に生物がいるか(いたか)どうかが問題になっている。地
しかし、月には人間が地球から送り込んだ数千もの生物がすでにい
イスラエルはガザに対する残虐な仕業で問題になっているが、じつ
5年前の2019年、イスラエルの民間団体が打ち上げた月探査機
この探査機にはクマムシが数千匹格納されていた。
クマムシは体長1ミリにも満たない小さな生き物だ。大きさ0.0
クマムシと一口にいっても、合計1265種が報告されている多様
とても生命力が強い。150度の高温からマイナス200度を下回
放射能にも強い。人間の致死量をはるかに超える放射線を浴びても平気だ。
クマムシは冷凍された状態で送られ、そこで蘇生(そせい)して宇
ちなみに40~5万グレイの線量は、ほぼあらゆる物質を殺菌でき
極端な乾燥で脱水状態にされても「乾眠」という無代謝の休眠状態
クマムシが送られる理由は変化があったクマムシの遺伝子を特定す
いままでもクマムシは宇宙に送られた実績がある。2007年にロ
宇宙の真空と放射線に耐えて、生殖能力も失わなかった。
乾燥・低温・高圧・真空・放射線など、どんな過酷な環境でも死ぬ
月の気温は、夜になればマイナス170~マイナス190度、昼は
なお、生物を月に送り込んでも国際法には違反しない。イスラエル
(島村英紀さんのHP http://shima3.fc2web.com/
「島村英紀が書いた『夕刊フジ』のコラム」より 3月8日の記事)