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2024年2月9日 12時00分
<ふくしま作業員日誌・56歳男性>今季初めてイチエフに積雪! 福島第1原発
先日の大雪の日は、イチエフ(福島第1原発)でも、この冬初めて雪が積もった。5センチぐらいかな。一面真っ白で、いつも見る風景とは違った。浜通りの冬は冷たい強風が吹くが、雪はあまり降らない。でも同僚と話したけど、毎年1回ぐらい積もっている。
その日の早朝はさすがに寒かった。朝のうちは降ったりやんだりしていたものの、現場に着いたらやんでいて、1時間ぐらい作業をした。そしたらまた雪が降ってきて、待機になった。危ないからね。滑るから上(足場や高所)にも上がれないし、雪に埋もれてクレーンが起こせなかったり、いろいろ支障が出る。
福島第1原発で作業をする作業員ら。冬は強風や寒さとの闘いになる=福島県の福島第1原発で
昼過ぎからは晴れて、翌日の作業のために雪かき。アルミやプラスチックのスコップで、結構な重労働になる。凍結防止に使う融雪剤の塩カル(塩化カルシウム)は鉄をさびさせる。現場によっては周辺に鉄板を敷いてあるので、注意が必要。雪が降った日より、翌朝の凍結の方が怖い。
せっかくだからと雪だるまを作ろうとしたら、「そういうのはやめてください」と注意された。残念。「雪合戦しましょうか」とも言ってみたのだけど…。
雪の前は、風速20メートルとかとんでもない強風で、作業が大変だった。強風だと重機でのつり上げ作業ができない、火の気が使えないなど作業が中止になる。濃霧、強風、雪…。作業への天候の影響は大きく、計画通りなんていかない。
雪深い能登半島のことも気になっている。昨夏に和倉温泉を家族で旅行して楽しかった。また行こうと話していたのに、こんな大地震が起きるなんて。向こうで俺が役に立つ仕事があればと思う。昨秋、福島県いわき市で台風13号による水害があって、一緒に働く若手が「手伝いに行ってくる」と話していた。でも、俺は今までボランティアをしたいと思っても、一歩が踏み出せないできた。能登では仮設住宅建設などしばらく続くだろうから、何かできることがあったら行きたい。(聞き手・片山夏子)