米国は日米安保体制やアジア支配のため朝鮮半島の戦争状態を 維持したいため70年も「休戦協定」のままにしている


 1/14小出裕章さん「朝鮮半島の核問題」講演
  ユニークで率直で面白かった
  I・T(経産省前テントひろば)

 2024年1月14日、全水道会館で小出裕章さんの「朝鮮半島の核問題」の講演会が開かれました。
 「朝鮮半島の核」について「サヨクっぽい人たち」が真正面から問題にするのはユニークでした。
 それから聴衆約85名は小出裕章さんを熟知していて、小出さんの主張をほとんど予測していること、真剣だけどリラックスした雰囲気で質疑時間がたくさんあったこともユニークでした。

◎ 朝鮮は核はつくれない

 講演は、ウランが材料のヒロシマ型原爆とプルトニウムが材料のナガサキ型原爆の違いの説明から入り、原爆製造には「濃縮」・「原子炉」・「再処理」の3大技術が必要で、それは原発でも同じで、日本が原爆と原発を分けて、原発は平和利用で安全だなどというのはウソだということをおさらいしました。
 朝鮮には再処理工場がないのでプルトニウムも取り出せないと「核保持」の現実を話されました。
 その際、小出さんは「私は『北朝鮮』とは絶対に言わない朝鮮民主主義人民共和国または朝鮮と言う」と言い、また、「アメリカとは地理的概念なので国については米国、USAと言う」とことわりました

◎ なぜ朝鮮はミサイル開発に必死なのか

 小出さんは「では朝鮮はなぜミサイル開発に必死になるのか」ということを、日本が朝鮮を植民地にしていた歴史のこと、1950年に始まった朝鮮戦争は、1953年に米国と朝鮮、中国が「休戦協定」に署名したが、大韓民国は拒否したこと、米国は日米安保体制やアジア支配のために戦争状態を維持したいので70年もそのままにしていることを指摘しました。

 朝鮮からとらえれば「米国に対抗する軍事力を持つこと、日・米・韓3国の朝鮮半島周辺での軍事演習に対抗する生き延び策をとることで必死なのだ」といいました。
 朝鮮が「ミサイルの発射実験」をおこなうと、日本政府がJアラートと避難訓練をして「北朝鮮という国は猛烈に悪い国」と国民に刷り込もうとしているけど、そうだとしたらまず原発を止めることだと言いました。

 また、朝鮮半島の「南北分断の原因は日本」で、しかも日本は朝鮮戦争の特需で経済再建をして戦後復興した。日本は誰よりも朝鮮、韓国に責任を果たさなければならないと強く言いました。

◎ 言葉の詐術の目的

 Nuclear Weapon =「核兵器」、Nuclear Plant =「核発電所」を日本では「原子力発電所」という。
「 Nuclear 核(軍事利用)」なのに「原子力(平和利用)」と言う。
 外務省資料には「当面核兵器は保有しないが、核兵器製造能力は常に保持すること」「プルトニウムの蓄積とミサイルに転用できるロケット技術は開発しておく」とあって、これが原発を持っている目的・本音なのだと小出さんは念をおしました。

◎たくさんの質問

1.志賀原発についての質問、

2.朝鮮は餓死者がいるというがミサイル開発はどうなのか、

3.朝鮮権力者に対する体制批判は日本という国の責任のとり方と表裏一体ではないか、

4.日本のEEZに撃ってはならないと思う、

5.金日成の遺訓…渡辺さん(司会・企画)「金日成さんは朝鮮半島の非核化を言っていました」、6.南北朝鮮の非核平和統一はどのようにしたらいいか、聞きたい。

…等々。
 とてもユニークな講演でした。
 

~たんぽぽ舎です。

【TMM:No4965】2024年1月29日(月)地震と原発事故情報-4つの情報をお知らせします~